[ニューヨーク 7日 ロイター] 10日からの週の米国株式市場は、最近の市場の混乱による地合いの悪化や欧州の債務問題をめぐる懸念を受けて、軟調な展開が予想されている。
投資家は、6日にダウ平均が一時1000ドル近く急落するなど、市場が混乱した原因の究明を求めている。また欧州中央銀行(ECB)がギリシャや多額の債務を抱えるその他のユーロ圏諸国に対する支援策を打ち出すとの観測が広がる中、ギリシャ支援策に関連した週末の欧州の動向に注目している。
米市場は先週、主要指数が軒並み6─8%下落し、年初来の上げを帳消しにした。
ヘネシー・ファンドのポートフォリオマネジャー、フランク・インガーラ氏は「誰もが欧州、特にギリシャの動向を危惧しており、スペインやポルトガルにも影響が波及するのか、またこれらの問題が世界の銀行システムにどのような影響を及ぼすのか懸念を抱いている」と述べた。
7日にはオバマ米大統領が、6日の米市場の混乱を受けて「異常な市場の動き」について当局が調査を開始したことを明らかにする一方、欧州の債務問題に対する政策対応を強く支援する考えを表明した。
市場では、米経済回復の兆しを示す堅調な企業決算や4月の米雇用統計などの好材料が影をひそめた感があるが、消費者支出の健全性を見極めるため、14日発表の4月小売売上高や、娯楽大手ウォルト・ディズニー
ロイター調査では、4月小売売上高(自動車除く)が前月比0.4%増と、3月の0.9%増からは伸びが鈍化すると見込まれている。
また14日には、4月米鉱工業生産、5月米ミシガン大消費者信頼感指数も発表される予定で、ともに前月から改善が予想されている。
7日に発表された4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を上回る前月比29万人増と、4年ぶりの大幅な伸びとなったが、市場はほとんど材料視しなかった。相場の下落を食い止めるためには、堅調なマクロ経済データや企業決算以上のものが必要となる可能性がある。
ナスダックは、4月23日につけた直近高値から10%以上下落しており、多くのトレーダーは下落率が10%を超えると調整入りのしるしとみなすことから、下落率がまだ10%に達していないダウやS&Pが一段安の展開となる可能性もある。
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