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東京外為市場・正午=ドル86円を回復、上値には限度

発行済 2010-08-13 12:24

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   86.10/15  1.2852/56  110.66/71

午前9時現在 86.14/20  1.2842/45  110.65/70

NY17時現在 85.90/94  1.2827/29  110.19/24

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 [東京 13日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点か

ら上昇し、86円を回復した。野田財務相の会見や日銀総裁談話を受けて当局の円高けん

制スタンスを確認したことをきっかけに積み上がったドル売りポジションを手仕舞う昨日

からの流れを引き継いだ。しかし、実際に円高に歯止めをかけるアクションに踏み切れる

か、また、踏み切ったとして効果はあるのか疑問視する声も多く、ドルの下値不安は根強

い。このため、ショートカバーが一巡した86円前半では上値が重くなった。

 野田財務相の会見や日銀総裁談話を受けて「市場には多少、円買い/ドル売りポジショ

ンへの不安も出てきている」(国内金融機関)。ポジションが高水準に積み上がっている

こともあり、きのうからのドルのショートカバーの流れを引き継いで、きょう早朝にドル

/円は86円を回復した。ドル安/円高の流れが反転したことでいったん下攻めムードが

後退したことに加え「クロス円に買いが入ったことがドル/円を押し上げた」(大手銀行)

という。

 ただ、上値は86.19円まで。「86.30円から86.80円にかけて、ストップ

ロスが散見される」(セントラル短資FX執行役員、武田明久氏)ものの、これを攻める

動きは出なかった。

 「円高に対して、当局は手詰まり。ドル/円の戻りには限度がある」(国内金融機関)

との見方が強いためで、「買いで攻めるよりは戻り売りをねらいたい。86円前半から半

ばにかけては戻り売りで臨む」(国内銀行)との声も聞かれた。

 市場では「介入したくても欧米の了承は取りにくい。介入するのはよほどの場合」(国

内金融機関)、「追加緩和をしても円高是正効果は薄い。それがわかっているので、日銀

は踏み切らない」(大手銀行)などの見方が出ていた。

 このため、ドル/円は86円前半で伸び悩んだ。「コストの悪いショートの買い戻しが

一巡したこともあり、ドル/円に対する興味が薄れてきている。輸出企業、輸入企業にも

動きはない」(大手銀行)との声が上がっている。

  

 <欧州ソブリンリスク再燃を懸念>

 

 アイルランド中銀の四半期報告をきっかけにアイルランドの財政問題への懸念が強まっ

ており、ユーロへの圧迫が強まっている。ユーロは海外市場で1.2780ドルまで下落。

9日の直近高値(1.3334ドル)からは550ポイントを超える下げになった。四半

期報告は、国有化された2銀行の救済費用を含む2010年の財政赤字が、対国内総生産

(GDP)で18.7%に達する見通しであることを明らかにした。「ギリシャと同じよ

うな形でソブリンリスクが再燃する可能性が出てきた。ユーロは9月末までに1.19ド

ル程度までの下げがありうる」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、

唐鎌大輔氏)との声が出ている。

 ギリシャ問題を経て、欧州連合(EU)は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を

まとめており「救済スキームはある。ただ、本当に発動できるかは懸念も残る」(唐鎌氏)

という。スロバキア議会は11日、ギリシャへの二国間融資を実施しないことを決定して

いる。スロバキア議会は、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)への参加は承認して

いるが、EFSFとりまとめでは欧州各国が混乱した経緯も含め、ソブリンリスク対応

での欧州各国の足並みの乱れを指摘する声が多い。

 

 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

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