ドル/円
午後3時現在 86.21/26 1.3163/64 113.49/54
正午現在 86.12/13 1.3153/55 113.26/31
午前9時現在 86.31/37 1.3153/56 113.55/60
NY17時現在 86.29/34 1.3154/59 113.52/57
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[東京 5日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点
とほぼ同じ86円前半で推移している。ドル安トレンドのなかではADP全米雇用報告な
どを受けた海外市場からのドル買い戻しの流れは長続きせず、一方で急速なドル買い戻し
の後とあって下攻めには慎重な地合いのなかで、焦点の米雇用統計を待って86円前半で
のレンジ取引になった。
前日東京市場でドルは85.32円まで売られ、ドバイショック時につけた安値
84.82円を射程に収めた。円高に向けて市場は前傾姿勢となったが、ドル・ショート
筋にドル売り支援材料と期待された7月米ADP民間雇用者数や7月米ISM非製造業総
合指数が予想外に強い数字となり、参加者はドルの買い戻しを迫られた。前日東京市場の
安値から海外市場の高値(86.39円)まで、ドルは1円以上の切り返しを演じている。
このため、きょうの東京市場では「ドルを売り込みにくいムードになっている。86円
半ばから上には短期筋のストップロス注文もあるため、動くなら下よりは上が値幅が出そ
うだ」(国内金融機関)との声が聞かれた。
きょうのドル/円は86円前半でのレンジ取引に終始。海外市場での買い戻しの流れを
受けた買いは長続きせず、86.46円で止められたあとは緩やかに86円割れをトライ。
「仲値期待で買ってみたものの上値が重く、直嶋経産相発言のインパクトも限定的。米雇
用統計の発表をあすに控えてさらに上値を買い上げる理由もないことから、ロングで入っ
た向きの投げが出た」(クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斉藤裕司氏)
という。直嶋経産相は、円高に関連して「何らかの対応が将来必要になると思う」と語っ
た。
しかし、下値も86.01円までだった。斉藤氏は「きのうの下攻め失敗のあと、米雇
用統計の発表前にあらためて下値を売り込む新たな理由も乏しい」としている。
<米指標に改善の兆し読み取る声>
大和総研チーフ為替ストラテジスト、亀岡裕次氏は、ドル売りの流れに変化が出る可能
性を指摘している。7月米ADP民間雇用者数や7月米ISM非製造業総合指数が予想を
上回ったが「米指標は、5─6月の弱さに比べると7月はやや改善がみられる。今回の減
速は米住宅購入支援政策の打ち切りによる反動減の影響が強かったが、これが一巡してき
たことが指標の改善につながっている」とみている。
米経済をめぐってはあす発表の米雇用統計と来週の連邦公開市場委員会(FOMC)が
焦点になるが「今回のFOMCで追加緩和を打ち出すことはないだろう。雇用統計が想定
の範囲内なら、ドル売りの流れはいったん材料出尽くしになる可能性がある。ただ、追加
緩和観測はその後もくすぶりそうだ」(亀岡氏)という。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)