日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNI:>
終値 9212.59 (-80.26) 終値 9190 (-90)
寄り付き 9125.49 寄り付き 9120
安値/高値 9065.94─9212.59 安値/高値 9050─9210
出来高(万株) 189751 出来高(単位) 85514
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[東京 12日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は5日続落。一時200円を超
える下落となり、7月6日に付けた取引時間中の年初来安値9091円70銭を下回った。
米中の景気減速懸念や欧州の財政不安、円高による企業業績圧迫に対する懸念が強まり、
主力株を中心に売られた。後場中盤に菅直人首相が急激な円高について「動きが激しい」
と仙谷官房長官に語ったとの一部報道などでドル/円が切り返し、株式先物にも買い戻し
が入ったことで、引けにかけては下げ幅を縮小させた。
東証1部騰落数は値上がり362銘柄に対し値下がり1173銘柄、変わらずが128
銘柄。東証1部の売買代金は1兆2796億円だった。
夏季休暇中の市場参加者が多く、マーケットの厚みが薄いなか、各市場が連鎖的な動き
を強めた。7月の中国鉱工業生産が弱い内容となったことで世界経済の減速をめぐる懸念
が高まり、欧米株式や商品相場を圧迫。リスク回避の動きが強まり、「安全資産」の円が
対ドルで15年ぶりの高値となったことで日本株はダブルパンチとなった。
ただ、円独歩高というわけでもなく、対ユーロではドルが上昇し、2008年10月以
来の大幅な上げ幅となるなど、ドルと円に資金が流れるリスク回避の典型的な動きとなっ
た。スロバキア議会が11日、ギリシャへの2国間融資を実施しないことを決定したとい
った要因から、欧州のソブリンリスクが再び意識される展開になったという。米株式投資
家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー
・インデックス(VIX指数)<.VIX>も11日は13.5%の上昇となった。
とはいえ、圧倒的な実需の売りが出ているわけではなく、為替の動きに敏感な短期筋が
引き続き取引の中心だった。財務省の玉木林太郎財務官が12日午後、日銀の中曽宏理事
(国際関係統括)と会談し、「内外の金融市場について意見交換した」ことが明らかにな
ると、ドル/円は切り返し、株価も下げ幅を縮小。さらに時事通信が、菅首相が急激な円
高について「動きが激しい」と仙谷官房長官に語ったと伝えると、ドル/円は85円半
ば、日経平均は9200円台を回復した。
市場では「国内年金とみられる買いで下げ止まったが、追随する買いが乏しく反発力が
弱い。欧州系証券からの買い戻しも見られたが、規模が小さい。円高懸念が強いため逆張
り投資スタンスの個人投資家なども様子見となっており、マザーズなど新興市場なども軟
調だ」(大手証券トレーダー)との声が出ていた。
「政策催促相場」的な色彩が強くなっているが、三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の
宮崎高志氏は「日銀の腰は重いだろう。景気認識を変えずに円高だけをターゲットに政策
変更することは考えにくい」と話す。その上で「政策が出るとすれば秋以降だろう。9月
14日の民主党代表選挙を終えて政治が落ち着けば、日銀へのプレッシャーが強まるとみ
られるためだ。政策が打ち出されれば円安方向への転換が期待できる。ただ、マーケット
全般的にリスク回避方向に動いているため、昨年12月のような株価のリバウンドは難し
いかもしれない」との見方を示した。
個別銘柄では、円高を嫌気して、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、キヤノン
<7751.T>、ソニー<6758.T>など主力輸出株は売りが先行。トヨタは取引時間中では
2009年3月23日以来となる3000円割れとなった。ただ円高が一服すると切り返
し、トヨタやキヤノン、ホンダはプラスで引けた。
(ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)