日経平均は4日ぶり反落。
29.33円安の23509.77円(出来高概算5億1496万株)で前場の取引を終えている。
昨日29日の米国株式相場は反落。
ダウ平均は131.40ドル安の27452.66ドル、ナスダックは32.28ポイント安の11085.25ポイントで取引を終了した。
7月住宅価格指数が予想を上回ったほか、9月消費者信頼感指数が3月来の水準を回復したため寄り付き後、堅調に推移した。
しかし、新型コロナウイルス感染再拡大への警戒感から下げ幅を拡大する展開となった。
米国株安を受けた今日の東京株式市場は売りが先行した。
米国株安に加え、米国市場でWTI原油先物価格が下落し一時約2週ぶりの安値となったことも重しとなった。
また、日本時間の10時から米大統領候補によるテレビ討論会が中継され、内容を見極めたいとする向きもあり積極的な売買が手控えられたとの指摘もあった。
今日は、アクシス (T:4012)がマザーズに上場した。
前場は買い気配のまま売買は成立しなかった。
また、午前に発表された9月の中国製造業PMIは51.5と前月の51.0から上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想の51.2も上回った。
9月の非製造業PMIは55.9と前月の55.2から0.7上昇し、6年10カ月ぶりの高水準となった。
9月の財新中国製造業PMIは前月比0.1ポイント低下の53.0となった。
個別では、通期業績予想を上方修正したが下期のみでは営業赤字予想となったケーヨー (T:8168)が10%を超す大幅安となり、株式分割や増配を発表したが同時に発表した株主優待制度の廃止が嫌気されたグッドコムアセット (T:3475)、好決算発表も出尽くし感から利益確定売りが優勢となったDCM (T:3050)、第1四半期連結営業利益が前年同期比35.2%減となったヤマシタヘルスケアホールディングス (T:9265)が下げた。
一方、20年11月期業績予想を上方修正したバイク王&カンパニー (T:3377)がストップ高買い気配となったほか、TOB価格3900円にサヤ寄せする動きとなったNTTドコモ (T:9437)が20%を超す大幅高となり、21年2月期業績予想を上方修正したJフロント (T:3086)、自社株取得を発表したグリー (T:3632)が10%を超す上げとなった。
また、空気清浄機搭載エアコンがウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できることを確認したと発表したシャープ (T:6753)が上げた。
セクターでは、銀行業、石油石炭製品、ゴム製品、鉱業、保険業などが値下がり率上位。
一方、情報・通信業、精密機器、パルプ・紙、電気・ガス業、鉄鋼が値上がりした。
東証1部の値下がり銘柄は全体の68%、対して値上がり銘柄は27%となっている。
先週24日(木)の当欄で、「株価=景気/金利」という式を紹介した。
「金利が下がれば株が上がるが金利が上がれば株が下がる。
景気が良くなれば株が上がるが景気が悪くなれば株が下がる」ということを簡単に表した式だ。
現在の状況を当てはめると、分母の金利に関しては金融緩和状態が長く続くとの見通しが大勢だが、一段の金融緩和に関してはやや期待が後退しつつある。
ここから先は分子の景気が株価決定要因としてより重きをなす可能性が高い、ということを前回は考えた。
ここで、最近の株式市場に影響を及ぼしている要因を二つほど考えてみる。
まず新型コロナ。
ここにきて欧州や米国の一部地域での感染再拡大が株式市場の重しとなっている。
株式市場が新型コロナ感染拡大を悪材料と見るのはなぜか。
それは景気動向を大きく左右するからだ。
例えば、直近も新型コロナ感染再拡大を受けロンドンなどで飲食店の営業規制が長引いている。
飲食店の営業規制は消費を低迷させ、経済を停滞させる。
だから株が下がる。
もう一つ。
米国で追加経済対策をめぐる与野党の攻防が続いており、着地点が見いだせないことも株価を揺さぶっている。
経済対策が遅れると、経済の本格的な活性化が見通せず経済を停滞させる。
だから株が下がる。
今日は米大統領選のテレビ討論会が市場の関心を集めている。
米大統領選を考える際、今後の景気がどうなるか、その一点に焦点を絞っても良いだろう。
金利と景気に焦点を絞った思考回路は投資家にとって重要である反面、意外と欠落しやすいものだ。
この話、もう少し先があるが、紙面の都合で続きは次の機会に回す。
さて、後場の東京市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。
米大統領選の第1回討論会が終了し、これを受けた今晩の米国株式市場の動きを確認したいとする声が多い。
また、今晩米国で9月のADP全米雇用報告、9月のシカゴPMIなど重要統計が発表される。
さらに、明日は7-9月期の日銀短観、週末2日には9月の米雇用統計などの発表を控えていることもあり、やや動きがとりづらく、積極的な売買は手控えられそうだ。
(小山眞一)