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UPDATE1: 東京外為市場・午後4時=ドル79円半ばへ2円半上昇、政府・日銀の押し上げ介入で

発行済 2011-08-04 16:28

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後4時現在 79.43/44  1.4326/28  113.81/85

正午現在   78.92/94  1.4302/06  112.87/91

午前9時現在 77.13/18  1.4348/52  110.67/71

NY17時現在 77.06/08  1.4331/34 110.33/40

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 [東京 4日 ロイター] 午後4時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時に比べ

大幅高の79円半ば。政府・日銀が午前10時から開始したドル買い/円売り介入は欧州

序盤まで断続的に続いている。これを受けてドルは朝方の安値から2.5円高となる79

円半ばまで上昇した。日本銀行は介入に合わせて追加緩和策を決定したが、円相場は目立

った反応を見せなかった。

 

 ドル買い/円売り介入の恩恵を受けて、クロス円でも円安が進み、ユーロ/円

は113円後半と安値から3円超高、豪ドル/円も2円高となる

84円後半まで上昇した。英ポンド/円は約3.5円高の130円前半まで上

昇した。

 

 <ドル買い介入>

 午前10時に開始されたドル買い介入の直前に、ドルは77.20円付近で推移してい

たが、介入後は一気に78.05円まで急上昇した。市場はまず疑心暗鬼になったため、

ドルはいったん77.30円付近まで押し戻された。しかし、その後も連続して当局のド

ル買いが入ったことで、再び78円半ばまで反発した。

 介入は電子ブローキングを経由したもので、規模は1兆円台に達したとの見方も出てい

る。ドル売りサイドには、外為証拠金の個人投資家がドルの戻り売りや、輸出企業のドル

売りオーダーが並ぶとされるが、ドル買いサイドには、介入のほか、海外短期筋によるド

ル買い/円売りも散見されたという。

  

 介入について、市場ではさまざまな意見が出ている。

 「米国の格下げリスク、弱い雇用環境、量的緩和第3弾の可能性、来週の米連邦公開市

場委員会(FOMC)など、市場は数々のドル安リスクに直面している。こうしたなかで、

政府・日銀が介入で継続的にドル安に対応する意志があるのかが重要になるだろう」とバ

ークレイズ銀行のチーフFXストラテジスト山本雅文氏は言う。

 この日の介入のタイミングに意外感があったことからも、「政府・日銀は今後とも、ド

ル安材料をこなし、ドル買い介入を継続する意志があるとみている。 3月末時点の外国

為替資金証券の残高からみると、介入資金が上限に達するまではまだ約39兆円程度の余

裕がある」と山本氏はみている。

  

 第一生命経済研究所・経済調査部の熊野英生氏は「米国の長期金利の低下の程度は尋常

ではない。底流にはリスク回避型の大きな資金シフトが起きているとみられる」と指摘。

 同氏は「介入は最大で2、3週間は続くとみている。介入の効果はゼロではないが、あ

くまで限定的で、ドル安/円高トレンドをしばらく足止めする程度にとどまるだろう」と

同氏は述べ、「輸出企業にとっては為替予約の場を提供することになる」と付け加えた。

 

 介入規模は不明だが、「1円以上上昇したので、数千億円単位ではなく、兆円単位では

ないか」(外為どっとコム総合研究所の植野大作氏)との声が聞かれた。

 「きょう発表の米新規失業保険申請件数や5日の米雇用統計が予想外に良ければ、もう

少しドル/円は上昇する。過去最安値76.25円までの距離は広がっていく。もし悪け

れば、介入を続けないと米景気の要因によって再び上値が削り込まれるだろう」と植野氏

は言う。

 <日銀>

 日銀はこの日、追加緩和を決定し、資産買入基金を10兆円程度増額。資産買入増額5

兆円のうち、割り振りは、国債は2兆円、社債等は0.9兆円とした。

 市場では、「政府・日銀が一体となって、過度な円高にノーの意思表示をしたことは評

価される。無策であると、安易にリスクマネーが円に流入してきてしまう。日本単独の為

替介入に限定される中で、日銀も追加緩和で応援する格好となった」と立花証券・執行役

員の平野憲一氏は言う。

 また、「今回の為替介入は、現時点で日本の単独介入の域を出ていない。その効果は数

日にとどまる可能性も否定できない。一方、米国ではQE3の可能性も声高に言われはじ

め、先進国の緩和強化の思惑も出ている。日銀が一段の追加緩和に踏み切らざる得ないケ

ースも出てくるのではないか」(ニッセイ基礎研究所・上席主任研究員の徳島勝幸氏)と

の見方も出ていた。

 <オプション>

 政府・日銀の執拗なドル買い介入を受け、ドル/円リスク・リバーサル25%デルタで

は、オーバーナイトから1週間物までがドル・コール・オーバーとなり、市場が短期的に

はドル高を警戒するモードに入ったことがわかる。

 オーバーナイト物はドル・コール・オーバーの0.4/0.6%、1カ月物は同じくコ

ール・オーバーの0.15/0.35%と前日までのプット・オーバーから切り返し、コ

ール・オーバーとなった。

 1カ月物は前日、ドル・プット・オーバーの1.7%付近だったが、この日はドルプッ

ト・オーバーの1.0%まで幅が圧縮された。

 (ロイターニュース 森佳子)

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