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ティア Research Memo(5):利益見通しは保守的、葬儀件数の積み上げで上振れする公算が大きい

発行済 2015-06-19 17:39
更新済 2015-06-19 18:00
ティア Research Memo(5):利益見通しは保守的、葬儀件数の積み上げで上振れする公算が大きい
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■今後の見通しについて (1) 2015年9月期業績見通し ティア (TOKYO:2485)の2015年9月期第2四半期(2015年1月−3月期)の業績は、売上高が前期比5.0%増の10,000百万円、営業利益が同4.0%増の1,032百万円、経常利益が同5.9%増の980百万円、当期純利益が同15.0%増の630百万円と期初計画を据え置いている(前提となる葬儀件数は前期比7.0%増、葬儀単価は同2.6%減)。
2015年9月期第2四半期(2014年10月−2015年3月期)までの通期計画に対する進捗率は、売上高が52.4%、営業利益が71.4%となっており、直近3年間の平均(売上高51.4%、営業利益64.0%)と比較すると利益面で保守的な印象が強い。
同社では、葬儀件数に関しては第3四半期以降も高水準が続き上振れする公算が大きいものの、葬儀単価の動向が不透明なことから、当面は業績計画を据え置いたとしている。
なお、下期の出店計画は、直営で2店舗、FCで1店舗を予定している。
このうち直営店舗に関しては、7月に津島店(愛知県津島市)、8月に小牧中央店(同小牧市)をオープンする予定となっている。
いずれの店舗も事前営業段階の顧客からの感触はよく、順調な立ち上がりが見込まれる。
経常利益の増減要因で見ると、人件費や広告宣伝費が引き続き増加するほか、売上原価率も通期では上昇するとみている。
商品原価率は、宅送業務の内製化推進などにより低下を見込むものの、新規出店に伴う店舗スタッフの増員などにより労務費率の上昇を見込んでいる(2015年4月の新卒入社数は28名と前期比7名増)。
また、葬儀単価に影響を与える葬儀アドバイザーに関しては下期に1名増員する予定で、2015年9月期中に愛知県内を100%カバーできる体制となる。
(2)設備投資計画 2015年9月期の設備投資計画は980百万円と2014年9月期の556百万円から拡大する。
このうち740百万円が葬儀会館の新設及び改装費用となり、残りを顧客管理にかかる基幹情報システムの増強投資などに充てる。
減価償却費は約400百万円と前期比微増となる見込み。
フリーキャッシュフロー(当期純利益+減価償却費—設備投資額)の推移を見ると、2012年9月期までは投資負担が重く赤字が続いていたが、2013年9月期以降は設備投資が一段落したことに加えて、利益水準が拡大してきたことで、黒字傾向が続いている。
収益の拡大によって投資余力も増してきたことから、2016年9月期以降も人材の育成を進めながら、フリーキャッシュフローの範囲内で新規出店を進めていくものと予想される。
(3)中期目標 同社は中長期的な目標として、FC店舗も含めて店舗数200店舗、売上高16,500百万円を掲げている。
国内の葬儀需要は今後も高齢者人口の増加とともに、2040年までは安定成長が続く見通しで、年間需要は現在の1.3倍程度まで拡大するとみられている。
こうした市場環境下で、現在は関西、関東の収益化と今後の出店を加速していくための体制整備を行う時期と捉えている。
特に、多店舗化していくうえで重要となるのが人財育成となる。
葬儀業界は、親族の死に直面するという特殊な環境下において、顧客(遺族の方々)から「ありがとう」と言われるだけの心配りが行き届いたサービスが求められるだけに、人財育成は競争力の源泉となる。
同社では人財育成システムとして、「ティアアカデミー」と呼ばれる独自の教育カリキュラムを実践しており、個々の社員のスキルアップを図るだけでなく、強い組織力の形成も目指している。
今後の出店戦略として直営店に関しては、中部・関東・関西圏を中心に年間4~5店舗ペースでの出店を計画している。
また、既存店舗においても年間2~3店舗ペースで小規模葬に対応した改装を進め、ドミナント戦略による多店舗展開を図っていく。
また、FC店舗に関しては新規クライアントの開拓と同時に、太平洋ベルトラインを最重点開発エリアとして位置付け、出店エリアを拡大していく方針だ。
エリア別の出店方針では、地盤となる中部地区に関しては、名古屋市内を中心に今後は小規模会館によるサテライト出店を推進していく。
また、今後の強化エリアである関東圏では年間で1~2店舗ペースで出店を行うと同時に、貸しホールを使った葬儀請負も行いながら、中長期で20店舗体制を目指していく。
関西圏に関しては現在、直営3店舗体制だが、今後は北河内地域を中心にドミナント出店を継続していく考えだ。
また、今後はM&Aの活用も経営の選択肢として入ってくる。
葬儀社の事業所数は全国で9,000件を超えているが、その大半が個人で運営する零細企業であり、また、こうした企業では経営者が高齢化し、廃業するケースも増えてきている。
同社では一定エリア内において、葬儀件数の取り扱いシェアが高い企業であれば、M&Aによりグループ内に取り込む価値はあるとみている。
新規に自社展開するよりも、既に葬儀会館などインフラが整っているほうが、早期に店舗数拡大を進めることができるためだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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