■業績の推移
(3)市場環境
アデランス (TOKYO:8170)が属するかつら市場の先行きに最も大きな影響を与えるのが人口動態だ。
国内は既に人口減少ステージにあるため、将来について楽観はできない。
男性については人口減少の動きがそのままかつら使用人口の縮小へとつながり、かつら市場の縮小が懸念される。
弊社では、新規顧客対象人口で今後10年間に20%以上、また、かつら使用の対象人口も同様に5%~10%、それぞれ減少するとみている。
換言すれば男性向けかつらの市場は毎年1%程度のペースで縮小している。
女性用かつらは事情が異なる。
かつらの使用開始年齢が60歳代と男性のピークの40歳代に比べて遅く、また、生涯を通じてかつらを使用するためだ。
このため、女性のかつら使用人口は今後数十年間は増加基調が続くとみている。
ただしその増加の度合いは今後10年間で3%程度にとどまり、前述の男性の使用人口の減少を補うには足りない水準だ。
かつらの市場は広い意味のヘアケア市場の中で、心理的及び財政的にハードルの高い位置にある。
「増毛効果の実現」という意味ではかつらは確実な効果が得られる反面、価格や心理的抵抗などがあるため、各種育毛剤や育毛サービスなどと競合している状況にある。
将来的に発毛効果が確実な薬剤が開発されればかつら市場が危機に瀕するリスクは残るが、現状においては医薬品の発毛剤(「プロペシア」や「リアップ」)や植毛などの他のヘアケア商品とかつらとは、棲み分けができていると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
国内は既に人口減少ステージにあるため、将来について楽観はできない。
男性については人口減少の動きがそのままかつら使用人口の縮小へとつながり、かつら市場の縮小が懸念される。
弊社では、新規顧客対象人口で今後10年間に20%以上、また、かつら使用の対象人口も同様に5%~10%、それぞれ減少するとみている。
換言すれば男性向けかつらの市場は毎年1%程度のペースで縮小している。
女性用かつらは事情が異なる。
かつらの使用開始年齢が60歳代と男性のピークの40歳代に比べて遅く、また、生涯を通じてかつらを使用するためだ。
このため、女性のかつら使用人口は今後数十年間は増加基調が続くとみている。
ただしその増加の度合いは今後10年間で3%程度にとどまり、前述の男性の使用人口の減少を補うには足りない水準だ。
かつらの市場は広い意味のヘアケア市場の中で、心理的及び財政的にハードルの高い位置にある。
「増毛効果の実現」という意味ではかつらは確実な効果が得られる反面、価格や心理的抵抗などがあるため、各種育毛剤や育毛サービスなどと競合している状況にある。
将来的に発毛効果が確実な薬剤が開発されればかつら市場が危機に瀕するリスクは残るが、現状においては医薬品の発毛剤(「プロペシア」や「リアップ」)や植毛などの他のヘアケア商品とかつらとは、棲み分けができていると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)