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東京外為市場・15時=ドル83円前半、ユーロの下値不安がいったん後退

発行済 2011-01-13 15:32

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 83.05/09  1.3097/99  108.79/82

正午現在   82.99/04  1.3102/04  108.77/82

午前9時現在 83.08/09  1.3126/28  109.04/09

NY17時現在 82.96/00  1.3130/34  108.93/98

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 [東京 13日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点に比

べ若干ドル高の83円前半。ドルは輸出勢の売りを背景に一時83円を割り込んだもの

の、オプション絡みの防戦買いもあり、83円付近でのもみ合いとなった。ユーロ/ドル

は海外市場を起点とする買い戻しが一巡し、上値もみあいとなった。きょうのスペイン、

イタリアの国債入札によるユーロのイベントリスクが意識されているが、ポルトガルの

国債入札が無難な結果となったことで、ユーロの下値不安はいったん後退している。

 

 ドルは実需の売りを受け、一時82.96円付近まで軟化した。輸出のドル売りオーダ

ーをこなした後は、オプション絡みの取引が意識された。市場では83円をストライク

(行使価格)とするオプションがあるとされ、83円を下回ればガンマの買いが出る

一方、83円以上では売りが出やすく、結果的に83円を挟んだ小動きとなった。

 ユーロは海外市場を起点とする買い戻しを背景に、朝方一時1.3138ドルまで上昇

した。

 「投機筋は1.30ドル割れでかなりのショートを作ったが、ユーロが思ったほど下が

らなかったので、前日から一斉に買い戻しに動いている。ポルトガルの入札結果の影響は

ニュートラルだろう」(ファンド・マネージャー)との声が聞かれた。

 市場では「対ドルでは1.33ドル台、対円では110円付近までユーロが買い戻され

る余地がある」(邦銀)との意見も出ていたが、欧州中央銀行(ECB)の理事会を控

え、上値追いには慎重なムードが広がった。

 ユーロ/円は一時109.15円まで上値を伸ばしたものの、その後は

108円後半に反落した。

 

 <ECB>

 この日はECB理事会および理事会後のトリシェECB総裁の記者会見が予定されてい

る。

 市場予想では、ECBが過去最低の1.0%となっている政策金利を据え置き、金融政

策は「緩和的」だと表明する可能性が高いという。一方、欧州圏ではこのところインフレ

率が上昇してきているため、記者会見でトリシェ総裁がインフレについて何らかのコメン

トするかに関心が集まっている。

 欧州連合(EU)統計局が4日発表した12月のユーロ圏のEU基準消費者物価指数

(CPI)速報値は、前年同月比2.2%上昇し2008年10月以来の高水準となり、

上昇率はECBが物価上昇率の目標としている2%弱を2年ぶりに上回った。エコノミス

トらは、ユーロ圏全体でみた景気の足取りがおぼつかないなか、原油高、これまでの

ユーロ安の影響がインフレ指標を押し上げている、とみている。

 ロイターの事前調査によると、ECBが声明でインフレ関連の言い回しを変更する可能

性は小さいという。トリシェ総裁は、インフレの高まりは認めるかもしれないが、たった

1カ月だけECBの目標を上回ったからといって、スタンスを変えそうにはないとみられ

ている。

 

 また、市場では、ECBが国債買い入れを拡大して、ユーロ圏のソブリン債危機に対処

するかどうかを見守っているが、購入規模の拡大についてはドイツの反対もあり、今回の

理事会では方向性が示されることはないとみられている。

  トレーダーらによると、ECBは10日、ポルトガル国債を購入した。

 <スペイン・イタリア入札、ESFS> 

 市場ではきょう予定されるスペインとイタリアの入札に関心が集まっているが、前日の

ポルトガル国債入札の実績を踏まえ、「きょうの入札はそれほど不調にはならない」(大

和総研チーフ為替ストラテジスト、亀岡裕次氏)との声も出ており、ユーロの下値不安は

いったん後退している。

 また、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充を目指す動きが出ていることが

ユーロの支援材料だという。

 「4月のポルトガルやスペインの国債大量償還をにらめば、合意する方向だろう」(大

手銀行)と期待する声が上がっている。

 大和総研の亀岡氏は「EFSFの規模拡大はないだろうが、融資可能額の拡大や基金に

よる債券買い入れなどは、17日のユーロ圏財務相会合や2月4日の欧州連合(EU)首

脳会議までに合意する可能性がある。日本や中国が欧州を支援する姿勢を打ち出してお

り、こうした資金供給をスムーズにするためにも態勢作りを進めるのではないか」とみて

いる。

 きょうのスペイン国債などの入札を波乱なく通過し、EFSFの拡充の方向が見えてく

れば、「ユーロ/ドルは10日の1.2860ドルでいったん底を打つ可能性がある。ユ

ーロ要因でのユーロ売りは一服しそうだ」(亀岡氏)という。

 

 ただ、ドイツ政府報道官がEFSFの規模を拡大すべきか否かを検討することは、有益

でも必要でもないとの見解を示しており、欧州各国の足並みは必ずしもそろっていない。

 スペインやイタリアの入札結果も好調なら、EFSF拡充の緊急性が薄れる可能性もあ

り、4月の国債償還を前に曲折が続くことも予想され、「ユーロの不安感が払しょくされ

たわけではない。きょうの入札結果の見極めが必要なほか、EFSFの議論の行方も不透

明で、着地を確認したい」(国内金融機関)との声も出ていた。

 (ロイター 森佳子記者)

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