ドル/円
正午現在 85.87/92 1.2748/53 109.51/54
午前9時現在 85.58/63 1.2751/55 109.14/19
NY17時現在 85.18/23 1.2762/68 108.89/93
--------------------------------------------------------------------------------
[東京 30日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点に
比べドル高の85円後半。
日銀は臨時の金融政策決定会合を開催し、白川日銀総裁は午後2時半から記者会見を行
う予定。市場では日銀の追加緩和に対する期待が膨らみ、ドルは朝方の85.32円の
安値から2週間ぶりの高値となる85.91円付近まで上昇した。
日経平均が前営業日比200円を上回り上げ幅を拡大したことで、リスク回避姿勢が後
退し、ユーロ/円は109円後半まで上昇し、2週間ぶりの高値をつけた。
市場では「米長期金利の上昇に伴い、金利感応度が高いオプション関連商品を販売して
いる証券会社から、自動的にドル買い/円売りオーダーが出る。これに便乗して短期筋が
ドル/円を買っている」(ファンドマネージャー)という。
他方、85円台後半では輸出勢のドル売りが散見され、86円台にも輸出企業のドル売
りオーダーが並んでいるという。正午にかけては、これらの売り買いが交錯し、ドル/円
は強いトーンを保ちながらも、85円後半でのもみ合いとなった。
市場では、日銀による追加金融緩和策の内容に関心が集まっているが、日銀が「市場予
想を上回る金融緩和措置を実施する可能性もある」(邦銀エコノミスト)という。「もし、
政策金利(現行年0.1%)の引き下げや国債買い取り増額など、(市場予想より)踏み
込んだ措置が決定されれば、サプライズな分、1円程度ドルが上昇する可能性はある」と
JPモルガン・チェース銀行・債券為替調査部部長の佐々木融氏は言う。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組(8月24日ま
での週)によると、ドルの売り越しが前週から減少する一方、世界経済の減速をめぐる懸
念から安全資産への逃避買いが広がり、円とスイスフランの 買い越しが増加した。
円のネット買い越し残高は24日に5万1069枚で、前週の4万9969枚から増加。
菅首相は27日、「経済情勢について」とする文書を公表し、その中で「為替市場の過
度な変動は経済・金融の安定に悪影響を及ぼすものであり、私としては重大な認識を持っ
ている。必要な時には断固たる措置を取る」とした。
市場では、「断固たる措置」とは「介入のことで、単独または海外市場では委託でドル
買い/円売り介入を実施する可能性がある」(アナリスト)との声も聞かれ、ドルの下支
え要因になっている。
(ロイター 森佳子記者)