ドル/円
午後3時現在 80.75/80 1.4054/58 113.50/57
正午現在 81.06/08 1.4030/35 113.73/78
午前9時現在 81.30/32 1.3960/64 113.49/54
NY17時現在 81.36/40 1.3949/55 113.50/55
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[東京 25日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点
に比べドル安の80円後半。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を経て、
市場の関心が再び米追加金融緩和に注がれる中、ドルは対ユーロや豪ドルなどで幅広く売
られ、対円でも80.65円と15年半ぶりの安値を更新した。
市場では、ユーロ/ドル、豪ドル/米ドルなどで幅広くドルが売り戻され、ユーロは
1.4064ドルと4日ぶりの高値をつけ、豪ドルは0.9957米ドルまで大幅に上昇
した。ユーロや資源国通貨では、CTA(商品投資顧問業者)などの短期筋によるドルを
売りが目立ったという。
「ユーロでは売りが短期筋中心、ドル/円は実需中心の売り」(邦銀)との声が聞かれ
た。
<トヨタの想定レート>
この日は商業決済が集中する5・10日に当たり、仲値にかけて輸出勢のドル売りがみ
られほか、トヨタ自動車<7203.T>が2010年度下期の想定ドル・レートを円高に修正す
るとの報道を受け、他の輸出企業の「諦め的なドル売り」(証券会社)も散見された。
25日付の読売新聞は、トヨタ自動車が、2010年度下半期(10年10月─11年
3月)の想定為替レートを、現行の1ドル=90円より10円円高の1ドル=80円に修
正する方針を固めたことが24日、分かったと伝えた。
同社は、1ドル=81円前後で推移する円高が当面続くと判断。これに伴い11年3月
期連結決算では、下半期だけで約1500億円の円高による為替差損を追加で織り込むこ
とになるという。
トヨタの広報担当者はこの報道について、コメントできないとしている。
<「経常黒字国通貨買い/経常赤字国通貨売り」のテーマも>
イベント通過後の市場では「G20で、米追加緩和観測によるドル安の基調的な流れが
変わったわけではない」(クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジスト、深谷幸司氏)
との見方が広がっている。
ガイトナー米財務長官は、経常収支を対GDP(国内総生産)比4%以下に抑える数値
目標を提案したが、G20財務相・中央銀行総裁会議声明には盛り込まれなかった。しか
し「市場には刷り込まれており、今後の相場形成に影響が出てきそうだ」(外資系証券)
との声が上がっている。
三菱東京UFJ銀行金融市場部カスタマーグループ上席調査役、西井謙一氏は「米国が
提案した数値目標を市場が先取りして、『経常黒字国買い・経常赤字国売り』がテーマに
なりそうだ」とみている。西井氏によると、経常黒字はドイツが対GDP比6%、中国は
同4.7%、日本は同3%、一方で経常赤字は米国が同3.2%。
<G20後の人民元の対ドル基準値は1ドル6.6729元、やや元高>
中国人民銀行(中央銀行)は25日の人民元
6.6729元と発表した。G20財務相・中央銀行総裁会議前の22日の基準値
(6.6759元)からはやや元高/ドル安となった。
G20財務相・中央銀行総裁会議では「市場で決定される為替レートシステムに移行し、
競争的な切り下げを回避する」ことで一致。
市場では、中国に為替相場の切り上げを促したと受けとめられているが、「米国が求め
ているのは人民元のジャンプアップ。これまでのペースでは不足だということだ。中国は
この圧力に負けず、自国のペースでの緩やかな人民元高という方針を変えないということ
だろう」(みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏)との声が上
がっている。
(ロイター 森佳子記者)