[5日 ロイター] - 米国株式市場は反落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事が積極的な利上げを示唆する発言を行ったことを受け、ハイテク株などが下落した。
ハイテク銘柄が中心のナスダック総合は約1カ月ぶりの大幅な下落率を記録した。アップルやアマゾン・ドット・コムが売られた。
ブレイナード理事は5日、系統的な利上げとバランスシートの急速な縮小により、FRBの金融政策は年後半に「より中立的な位置」に達し、その後必要に応じてさらなる引き締めを行うとの見通しを示した。
インベスコのチーフ・グローバル市場ストラテジスト、クリスティナ・フーパー氏はブレイナード理事の発言について、「FRBがより積極的なスタンスを取る構えであることを鮮明にした」と指摘。
「景気後退の可能性が高まるという懸念から、株式市場に悪影響を及ぼしているのは確かだ。FRBが積極的になればなるほど、経済の軟着陸を実現するのは難しくなるだろう」と語った。
S&P主要セクターでは情報技術が2.2%安、一般消費財が2.4%安と下げがきつかった。公益事業は0.7%上昇した。
米債券市場ではブレイナード理事の発言を受け、国債利回りが上昇した。
6日には3月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定で、FRBの政策が引き続き市場の焦点となる。
チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は 「市場は今週いっぱい、金利動向やFRBの金利に関する発言に左右されるだろう」と述べた。
市場はさらなるインフレ高進につながるコモディティー(商品)価格の上昇を招いているウクライナ危機にも引き続き注目している。
ツイッターは2%上昇。同社は筆頭株主でテスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏を取締役に指名すると発表した。
クルーズ船運航大手カーニバルも2.4%上昇。週間の予約が過去最高を記録した。
格安航空会社スピリット航空は22.5%の大幅高。同業ジェットブルー・エアウェイズが買収提案を行ったとの報道が材料になった。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.33対1の比率で上回った。ナスダックでも2.96対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約114億株。直近20営業日の平均は約130億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34641.18 -280.70 -0.80 34876.33 35112.21 34566.04
前営業日終値 34921.88
ナスダック総合 14204.17 -328.39 -2.26 14490.26 14500.29 14169.12
前営業日終値 14532.55
S&P総合500種 4525.12 -57.52 -1.26 4572.45 4593.45 4514.17
前営業日終値 4582.64
ダウ輸送株20種 15065.50 -435.46 -2.81
ダウ公共株15種 1050.58 +4.83 +0.46
フィラデルフィア半導体 3269.82 -155.13 -4.53
VIX指数 21.03 +2.46 +13.25
S&P一般消費財 1464.66 -35.27 -2.35
S&P素材 555.07 -4.42 -0.79
S&P工業 850.83 -12.03 -1.39
S&P主要消費財 799.36 +0.54 +0.07
S&P金融 628.52 -4.73 -0.75
S&P不動産 307.76 +0.19 +0.06
S&Pエネルギー 578.43 -8.86 -1.51
S&Pヘルスケア 1600.09 +2.87 +0.18
S&P通信サービス 239.22 -3.36 -1.38
S&P情報技術 2780.50 -62.29 -2.19
S&P公益事業 383.11 +2.53 +0.67
NYSE出来高 10.31億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27565 - 235 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 27520 - 280 大阪比