ドル/円
午後3時現在 98.52/57 1.3960/65 137.54/61
正午現在 98.40/45 1.3983/88 137.68/73
午前9時現在 98.65/70 1.3973/78 137.88/92
NY17時現在 98.64/68 1.3972/78 137.76/85
--------------------------------------------------------------------------------
[東京 8日 ロイター] 午後3時現在のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時
時点より小幅安い98円半ばで推移している。海外市場で1カ月ぶり高値をつけたあと、
東京市場では実需の売りに押されて98円前半まで調整したが、これが一巡してじわりと
ドルが強含んできた。欧州勢の参戦が意識される時間帯に入り、上昇基調にある米金利を
にらんで海外勢が一段のドル買いを進めるかどうかに注目が集まっている。
ドルは前週末海外市場で98.90円まで上昇し、1カ月ぶり高値をつけた。米雇用統
計が事前予想ほど悪くなかったことで米長期金利が急騰、一時3.90%付近をつけたこ
とがきっかけになった。米金融緩和政策の出口が意識され、一部では年内利上げ観測も浮
上したという。
これを受けて、従来のリスク選好で積み上げたドル売りポジションが巻き戻されたほか、
米金利上昇を受けたハイブリッド系のドル買いも出て、対円、対ユーロとも大幅な水準訂
正になった。対ユーロでは海外市場の流れを引き継いだきょう朝方に1.3925ドルま
で上昇した。
しかし、その後はドル買いが一服。ドル/円には輸出筋のドル売りが先行して上値を押
さえ、ドルは98.28円まで弱含んだ。ユーロ/ドルでもファンド筋がユーロを買い戻
したことでドルはいったん1.4004ドルまで調整した。
その後、午後3時頃からドルは再び強含んだ。欧州勢の参戦が意識される時間帯に入り
「米金上昇にらみの取引になっているため、ドル買いから入りやすい」(国内銀行)とい
う。東京時間でのいったんの調整を経て「海外時間で再びドル買いが強まる可能性がある」
(国内銀行)との声が出ている。
<米長期金利>
市場の関心は米金利動向に集まっているが「海外市場でのドル買いは、米金利上昇を受
けて米国の急速な景気回復を本格的に織り込みにいったというよりは、ポジション調整の
側面が強い」(野村証券・金融市場部次長兼為替課長、前波弘氏)という。米雇用の悪化
ピッチが落ち着いてきたとはいえ、5月の失業率は1983年以来の9.4%。年内利上
げは考えにくいとの見方が大勢だ。このため、市場が米金利上昇に反応したことは間違い
ないとしても水準感が働く。「当面のドルの上値は99円半ばとみており、99円付近ま
でドルが一気に上昇したことで行き過ぎ感が出ている。ここからの方向感を決めるうえで
は、きょうの欧州勢や米国勢の入り方をみたい」(野村証券金融市場部次長兼為替課長、
前波弘氏)との声が聞かれた。
米金利を織り込むうえでもうひとつのポイントが米債需給だ。今週は、総額650億ド
ルの国債入札(3年物債350億ドル、10年物債190億ドル、30年物債110億ド
ル)が予定されている。市場では「(景気回復期待による)いい金利上昇なのか、(米債
需給懸念による)悪い金利上昇なのかを見極めたい」(邦銀)との声も聞かれた。ドイツ
証券、深谷氏は「海外からの応札スタンスが弱まることはない。米景気がそう急速に回復
するとは考えにくく、米長期金利がそう一方的に上がっていくとはみていない。上がりや
すいのはむしろ短めの金利だ」とみている。
きょうは米連邦準備理事会(FRB)による米債買い入れが予定されている。前週
3、4日の買い入れではともに75億ドル程度と買い入れ額をやや増やしたが米金利上昇
を押さえることはできなかった。「きょうの買い入れで金利上昇を押さえ込めるかは不透
明だ」(邦銀)との見方も出ている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)
( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net
E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)