ドル/円
正午現在 84.35/40 1.2888/93 108.74/76
午前9時現在 84.45/49 1.2886/89 108.83/88
NY17時現在 84.30/35 1.2893/99 108.68/73
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[東京 6日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点と同
水準の84円前半で推移している。8月の米雇用統計が予想を上回ったことでいったん下
値は堅くなったものの、米金融緩和期待がくすぶり続けているほか輸出企業の売り圧力も
意識され、短期筋中心に84円前半でもみあった。
3日に発表された8月の米雇用統計が事前予想を上回り、ドル/円はいったん
85.23円まで上昇。しかし、「過度な米景気悲観論を織り込んでいた向きのショート
カバーでいったんドルが上昇したが、ロングメークには至らなかった」(国内金融機関)、
「85円台では輸出企業の売りが出た」(別の国内金融機関)ことから、間もなく84円
前半のもとのレンジに押し戻された。
「米雇用統計を受けてドル/円の下値はやや堅くなってきた感触がある」(国内金融機
関)一方で、売り遅れが目立つ輸出企業の売り圧力も意識され、東京市場では84円前半
で方向感に乏しいもみあいになった。先週から84円半ばからの上の重さが目立っている
こともあり「もう少し上値があるようなら、戻り売りから入りたい」(国内銀行)との声
が聞かれた。
<次回21日のFOMCで追加緩和との見方も>
米雇用統計発表後にロイターがプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)
に対して行った調査によると、15社中6社が連邦準備理事会(FRB)は年内にバラン
スシート拡大に動くと予想。また3社はバランスシート拡大の可能性があるとしており、
米金融緩和期待は根強い。
ただ、雇用統計が予想ほど弱くなかったことで「次回21日の連邦公開市場委員会(F
OMC)では追加緩和は見送るだろう」(国内金融機関)との声が出ている。一方で、み
ずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は「製造業の雇用が減少に
転じるなど、内容はよくない。米金融当局が最も重視している失業率が上昇している。次
回21日のFOMCでは、米国債の一段買い増しなど追加緩和に踏み切る可能性がある」
(唐鎌氏)としている。
<オバマ米大統領の景気対策に関心>
オバマ大統領は8日にクリーブランドで行う演説で、企業の研究開発向け税額控除措置
の拡大・恒久化などの景気対策を明らかにする予定。中間層向けの減税や、クリーンエネ
ルギー投資、インフラ支出の拡大、雇用促進に向けた企業への減税拡大などが含まれる可
能性がある。「内容次第で米国株・米国金利上昇の可能性はある。住宅問題への支援策が
含まれればインパクトがありそうだ」(みずほコーポレート銀行、唐鎌氏)、「企業への
減税で株式市場にアピールする可能性がある。雇用や消費にどの程度配慮されるかがポイ
ントになる」(国内金融機関)などの声が出ている。
ただ、足元のリスクオンの動きは限定的。ユーロ/ドルは雇用統計を経てきょう早朝に
1.2904ドルまで上昇したが、レジスタンスである1.29ドル水準をクリアで跳ね
返されて1.28ドル後半で推移している。みずほコーポレート銀行の唐鎌氏は「21日
のFOMCで金融緩和に踏み切れば、市場は財政・金融のポリシーミックスと受け取るよ
り、米景気の弱さを再確認することになるだろう」(唐鎌氏)とみている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)