ドル/円
正午現在 81.03/05 1.4190/91 114.98/02
午前9時現在 81.11/16 1.4143/46 114.75/80
NY17時現在 81.36/40 1.4135/41 114.94/99
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[東京 27日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比
べて30銭ほど安い81円前半。前日に発表された国内総生産(GDP)や新規失業保険
申請件数など米経済指標がさえなかったことを受け、ドルが幅広く売られた。ドル/円は
輸出勢の売りも重なり、81円割れに迫った。ギリシャをめぐる悪材料につきないユーロ
は、一人負けのドルに対しては買われた。
<輸出の売り注文徐々に増える>
前日のニューヨーク時間に81.15円まで下落したドル/円は、アジア時間に入って
も81.50円まで戻せず息切れし、じり安で推移した。朝方からモデル系のファンドが
ユーロを売っていたとされ、ドル/円はクロス円の下げを通じて81.08円まで下落し
た。いったん81.20円台まで戻したものの、仲値を過ぎると再び81.02円まで下
落。スポット末日のため意識されていた仲値での実需売りが、実際には仲値通過後に出て
きたという。
「徐々に企業の予算レートが決まってきて、6月や9月に向けての(ドル売り/円買い)
注文を今週になって入れてきている。ドル/円は夏場にかけて上昇したところは売られ
て上値は限定的になるだろう」(三菱UFJ信託銀行の藤島雄介氏)との声が聞かれた。
<米金利が半年ぶりの低水準>
ニュージーランド主要銀行の格下げ観測で売られていたニュージーランド(NZ)ドル
/米ドルが、同国財務相の発言を受けて3年ぶり高値まで急速に買い戻されたことも、ド
ルの下落圧力を強めた。イングリッシュ財務相は現地紙で、中国の政府系ファンドのほか、
香港やシンガポールなどがニュージーランド債の購入に関心を示していると語った。米
銀が対NZドルを中心に米ドルを売っていたという。
また、米証券がユーロを買っていたとの指摘もあり、ユーロ/ドルは1.4229ドル
まで上値を伸ばした。ただ「ユーロ買いというよりドル売り。米金利が下げ止まらないこ
とから、米量的緩和第3弾(QE3)の思惑が出てきている」(大手銀行)との声が上が
っていた。前日の欧米市場では、米2年債利回り
10年債利回りは下値抵抗線だった3.10%付近を明確に下抜けた。ともに昨年12月
上旬以来の低水準。「当時ほど米経済の状況が悪いわけではなく、QE3の思惑には後付
け的な感触もある。しかし金利の低下をみると、やはりドル売りになる」(大手銀行)と
いう。
(ロイターニュース 久保 信博記者)