山崎牧子
[東京 23日 ロイター] - 東芝が、主要株主の米ファラロン・キャピタル・マネジメントと米エリオット・マネジメントからそれぞれ取締役を受け入れることを検討していることが分かった。事情を知る複数の関係者が明らかにした。両ヘッジファンドの発言力が取締役会で高まり、東芝が進める経営再建策に影響を与える可能性がある。
ファラロンは6%超の株式を保有する東芝第3位株主。エリオットも5%弱を保有しているとみられる。関係者3人によると、東芝は6月の定時株主総会で諮る取締役候補について、ファラロンから1人を選任する方向で調整している。さらに関係者2人によると、エリオットからも1人を選任することを検討している。
東芝の広報担当者はロイターの取材に、「現時点では取締役候補者は決定していない」とコメントした。ファラロン、エリオットのコメントは現時点で得られていない。
日本企業が物言う株主(アクティビスト)から取締役に迎え入れた例は、オリンパスなどで実績があるが依然少ない。会社分割などによって経営再建を目指してきた東芝経営陣に対し、アクティビストは主に非上場化を求めてきた。
東芝は今月13日、予定していた取締役候補者の選任案の公表を中止した。選任に追加の時間を要するためとしていた。別の関係者によると、一部の候補者について、利害関係や独立性などに関する書面上の確認手続きで遅れが出ていたという。
東芝は事業パートナーとなり得る投資家やスポンサー候補との協議を開始。13日時点で10社から秘密保持誓約書を受け入れた。