■業績動向
(1) 2015年3月期決算
2015年3月期決算は売上高84,697百万円(前期比0.2%増)、営業利益1,707百万円(同15.7%増)、経常利益1,810百万円(同22.7%増)、当期純利益1,573百万円(同29.3%増)と、前期比増収増益で着地した。
売上高は期初予想に対して大きく未達となったが、利益は予想の線での着地となった。
この背景にはルネサスイーストン (TOKYO:9995)が仕入専門部門を抱えていることが貢献した。
一般的には営業担当者が担当客からの注文に応じて発注するが、同社の場合は専門部門が一括で発注する。
それによって無駄を排し効率性を高めている。
この地道な努力と商品ミックスの改善が粗利益率改善につながった。
売上高は2015年3月期第3四半期(2014年10月−12月)までは順調に進捗していたので、第4四半期(2015年1月−3月)に入り急に失速したことになる。
この要因については、中国市場での日本車の不振等によると予想している。
(2) 2016年3月期見通し 2016年3月期は売上高90,000百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,880百万円(同10.1%増)、経常利益1,920百万円(同6.0%増)、当期純利益1,585百万円(同0.8%増)を予想している。
現中期経営計画の最終年であるが、売上高については2105年3月期実績と現状を踏まえて、従来計画の100,000百万円から引き下げた。
しかし利益については微調整にとどまった。
2016年3月期についての成長シナリオや各種施策、及びそれら施策における数値目標などは前述のとおりだ。
向け先別で見た場合は言うまでもなく自動車向けの動向が最大のポイントだ。
特に、2015年3月期の売上高の未達が中国での日本車販売不振によるものならば油断はできない。
中国の経済状況は2015年3月期よりもさらに悪化しているように思われるためだ。
その意味では、2016年3月期の売上高目標を90,000百万円に大きく引き下げてきた判断は、妥当な判断と言える。
他方、同社は2015年3月期で粗利益率拡大を実現しており、2016年3月期も同様の自助努力によって、利益については予想の線を確保してくる可能性が高いと弊社では考えている。
弊社では、新規ビジネスが順調に拡大している点に注目している。
同社は中長期的にはルネサスエレ社製品の取扱量・額の絶対値は伸ばしつつ依存度を少しずつ低下させていく方針だ。
それには新規ビジネス(すなわちCSB売上高)を伸ばして行くことが不可欠だ。
2016年3月期も2015年3月期に引き続き3,000百万円近い大幅増収を計画しているが、これが実現すれば次期中期経営計画への大きな弾みになると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
売上高は期初予想に対して大きく未達となったが、利益は予想の線での着地となった。
この背景にはルネサスイーストン (TOKYO:9995)が仕入専門部門を抱えていることが貢献した。
一般的には営業担当者が担当客からの注文に応じて発注するが、同社の場合は専門部門が一括で発注する。
それによって無駄を排し効率性を高めている。
この地道な努力と商品ミックスの改善が粗利益率改善につながった。
売上高は2015年3月期第3四半期(2014年10月−12月)までは順調に進捗していたので、第4四半期(2015年1月−3月)に入り急に失速したことになる。
この要因については、中国市場での日本車の不振等によると予想している。
(2) 2016年3月期見通し 2016年3月期は売上高90,000百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,880百万円(同10.1%増)、経常利益1,920百万円(同6.0%増)、当期純利益1,585百万円(同0.8%増)を予想している。
現中期経営計画の最終年であるが、売上高については2105年3月期実績と現状を踏まえて、従来計画の100,000百万円から引き下げた。
しかし利益については微調整にとどまった。
2016年3月期についての成長シナリオや各種施策、及びそれら施策における数値目標などは前述のとおりだ。
向け先別で見た場合は言うまでもなく自動車向けの動向が最大のポイントだ。
特に、2015年3月期の売上高の未達が中国での日本車販売不振によるものならば油断はできない。
中国の経済状況は2015年3月期よりもさらに悪化しているように思われるためだ。
その意味では、2016年3月期の売上高目標を90,000百万円に大きく引き下げてきた判断は、妥当な判断と言える。
他方、同社は2015年3月期で粗利益率拡大を実現しており、2016年3月期も同様の自助努力によって、利益については予想の線を確保してくる可能性が高いと弊社では考えている。
弊社では、新規ビジネスが順調に拡大している点に注目している。
同社は中長期的にはルネサスエレ社製品の取扱量・額の絶対値は伸ばしつつ依存度を少しずつ低下させていく方針だ。
それには新規ビジネス(すなわちCSB売上高)を伸ばして行くことが不可欠だ。
2016年3月期も2015年3月期に引き続き3,000百万円近い大幅増収を計画しているが、これが実現すれば次期中期経営計画への大きな弾みになると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)