■中期経営計画の進捗状況
伊藤忠エネクス (T:8133)は現在、中期経営計画「Moving2016『動く!』」に取り組んでいる。
これは2016年3月期と2017年3月期の2年間の変則的なものだ。
前述のように、初年度の2016年3月期は、各利益項目で過去最高を更新し、計画対比でも、営業利益と税引前利益ではほぼ計画線での着地となり、極めて順調なスタートを切った。
最終年度を迎えるに当たり、同社は組織の改編を行った。
その内容は、従来の4つの事業本部を、2つの事業グループ・4部門に組み替えるというものだ。
4部門それぞれの事業領域は、従来から変更はなく、ポイントは2部門ずつ2つの事業グループにまとめた点にある。
なお、エネルギートレード事業は今回の再編を機に、エネルギーイノベーション部門へと名称が変更された。
「電力・ガス事業グループ」は、LPガス主体のホームライフ部門と電力・ユーティリティ部門からなる。
2つの部門は、2016年からの電力小売りの全面自由化を機に、小口電力の販売スキームであるバランシング・グループ(BG)を通じて協働することが、かねてより計画されている。
その意味で、電力・ガス事業グループの設置は自然な流れであると言えるだろう。
「エネルギー・流通事業グループ」は、カーライフ部門とエネルギーイノベーション部門からなる。
今後予定される元売り再編をにらみ、元売りと消費者の間に立つ“卸・商社”として、自社の存在意義を外部に認めさせるだけの付加価値を生み出す存在に変革・成長しなければならない、という強い認識を同社が有しており、グループ化はその実現を加速させることを目指している。
弊社では、今回の組織改編について、論理的で説得力がある施策だと考えている。
投資家としての期待値は、いかにスピード感を持って企業業績にまで落とし込めるか、にあると推測しており、今後の展開を見守りたいと考えている。
同社は2017年3月期の業績目標に関して、当初の営業利益計画を「200億円」としていたものを、今回の業績予想においては「175億円」と引き下げた。
原油価格の水準変化の織り込みや、“必達”の数値を業績予想として掲げたということであろうと弊社では推測している。
当期純利益とROE予想値は従来どおりに据え置かれている。
弊社では今期業績予想については上振れの可能性も視野に入れていることもあって、営業利益の「175億円」の業績予想については、特段、下方修正とは受け止めていない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
これは2016年3月期と2017年3月期の2年間の変則的なものだ。
前述のように、初年度の2016年3月期は、各利益項目で過去最高を更新し、計画対比でも、営業利益と税引前利益ではほぼ計画線での着地となり、極めて順調なスタートを切った。
最終年度を迎えるに当たり、同社は組織の改編を行った。
その内容は、従来の4つの事業本部を、2つの事業グループ・4部門に組み替えるというものだ。
4部門それぞれの事業領域は、従来から変更はなく、ポイントは2部門ずつ2つの事業グループにまとめた点にある。
なお、エネルギートレード事業は今回の再編を機に、エネルギーイノベーション部門へと名称が変更された。
「電力・ガス事業グループ」は、LPガス主体のホームライフ部門と電力・ユーティリティ部門からなる。
2つの部門は、2016年からの電力小売りの全面自由化を機に、小口電力の販売スキームであるバランシング・グループ(BG)を通じて協働することが、かねてより計画されている。
その意味で、電力・ガス事業グループの設置は自然な流れであると言えるだろう。
「エネルギー・流通事業グループ」は、カーライフ部門とエネルギーイノベーション部門からなる。
今後予定される元売り再編をにらみ、元売りと消費者の間に立つ“卸・商社”として、自社の存在意義を外部に認めさせるだけの付加価値を生み出す存在に変革・成長しなければならない、という強い認識を同社が有しており、グループ化はその実現を加速させることを目指している。
弊社では、今回の組織改編について、論理的で説得力がある施策だと考えている。
投資家としての期待値は、いかにスピード感を持って企業業績にまで落とし込めるか、にあると推測しており、今後の展開を見守りたいと考えている。
同社は2017年3月期の業績目標に関して、当初の営業利益計画を「200億円」としていたものを、今回の業績予想においては「175億円」と引き下げた。
原油価格の水準変化の織り込みや、“必達”の数値を業績予想として掲げたということであろうと弊社では推測している。
当期純利益とROE予想値は従来どおりに据え置かれている。
弊社では今期業績予想については上振れの可能性も視野に入れていることもあって、営業利益の「175億円」の業績予想については、特段、下方修正とは受け止めていない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)