[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米政府は4日、ロシア当局が米金融機関に保有する外貨準備から6億ドル余りの資金を国債の元利払いに使うことを阻止した。ウクライナ侵攻を続けるロシアに圧力を強め、利用可能なドルを減らす狙いがある。
ロシアは欧米の経済制裁で中央銀行が米金融機関に保有する外貨準備が凍結されているが、米財務省はこれまでドル建てロシア国債に関し、外貨準備を使って利払いを行うことをケースバイケースで承認してきた。
4日は国債の満期に伴う5億5240万ドルの元本支払いと、2042年満期債の8400万ドルの利払い期日だった。財務省の報道官によると、政府はロシア当局に凍結資産の利用を認めないことを決めた。
報道官は「ロシアは現在残っている貴重なドル準備金を取り崩すか、新たな収入を得るか、デフォルトするかのどれかを選ばなくてはならない」と述べた。
関係筋によると、財務省は、コルレス銀行であるJPモルガン・チェースがロシア国債の支払いを処理することを認めなかった。コルレス銀行はロシアから受けた利払い金を支払代行機関に送り、その後、ロシア国外の債券保有者に分配される仕組みとなっている。
関係筋によると、支払いには30日の猶予期間が設けられている。
ロシアが最後にドル建て国債の利払いを認められたのは3月31日で、2030年満期債に4億4700万ドルを支払った。ウクライナ侵攻開始以降では少なくとも5回利払いを実施している。
ロシアが期限内に債務支払いを実施しない場合や、ドルやユーロの支払いが指定されている国債を自国通貨ルーブルで支払った場合、デフォルトに該当する。