[ワシントン 17日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は17日、インフレや経済成長の目標を達成するためにマイナス金利が必要になる可能性は「非常に低い(extraordinarily unlikely)」との認識を示した。
ただ、低金利だけでは、必ずしも投資を促すことはできないかもしれないとも指摘した。
ロウ総裁は、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の会合でのプレゼンテーションで「オーストラリアにおけるマイナス金利や量的緩和について、憶測で述べることはしない。ただ、言えるのは、マイナス金利の可能性は非常に低いということだ」と述べた。
総裁は、新たな資本投資に伴うリスクプレミアムを抑制することで投資を刺激するという金融政策以外の措置がなければ、金融政策に過度の負担がかかると指摘した。
通商や地政学面での不透明感を払しょくするための措置を講じ、設備投資環境の改善に向け構造改革を行う必要があるとの認識を示した。
「明らかにわれわれは現在、金融緩和によりリターンが縮小しているという状況にある」とし「それを踏まえると問題の解決策は他にある。つまり、投資を奨励する環境を作り出すことだ」と強調した。
「この点において進展がなければ、低金利がもたらす効果は、新たな資産への投資奨励というよりは、望んでいない既存資産の価格上昇になる」と指摘した。
IMFは、長引く低金利環境下で、より高いリターンを求めてリスク資産への投資が加速していることを警戒し、各国の中銀や財務相は、よりマクロ・プルーデンスを重視した措置を講じるべきだとの考えを示している。
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