欧州市場サマリー（8日）

　　　　　　　　　　 　1303GMT 　　　　 7日終盤日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.4611 1.4689

ドル／円 　　 79.860 80.060

ユーロ／円 116.67 117.59

　　　　　　　　　　　 　8日終値 　　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5808.89（‐55.76） 5864.65

　　クセトラＤＡＸ　　　 7060.23（‐43.02） 7103.25

金　現物午後値決め 1537.75 1545.00　　

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(９月限)　 98.275 (＋0.020)　　0.987(0.960)

独連邦債２年物 1.657(1.708)

独連邦債１０年物(９月限) 124.91 (＋0.43) 3.054(3.083)

独連邦債３０年物 　 3.613(3.634)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ドルが対円で１カ月ぶりの安値を更新した。米経済成長が減速すれば世界的

な経済成長も鈍化するとの懸念から、ユーロ、および資源国通貨も下落している。

　ドル／円は７９．６９円と、５月５日以来の安値を更新した。その後は

０．３％安の７９．７９円で推移した。

　ユーロ／円は０．９％安の１１６．５８円、ユーロ／ドルは０．５％

安の１．４６１５ドルで推移した。ドイツの４月の鉱工業生産指数が予想外に低下したこ

とがユーロの重しとなった。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反落して終了した。投資家の間に世界経済の回復力に対

する懸念が広がり、鉱山株が値を下げた。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は５５．７６ポイント（０．９５％）安の

５８０８．８９。２００日移動平均の５８１５を下抜けた。

　バーナンキ米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長が前日の講演で米経済の成長減速を認める

一方、追加の景気刺激策を示唆しなかったことや、格付け会社ムーディーズ・インベスタ

ーズ・サービスが英国について、成長や財政面の問題が拡大すればＡＡＡ格付けを失うリ

スクがあると警告したことを受け、市場心理が冷え込んだ。

　金属価格の下落に伴い、鉱山株<.FTNMX1770>が下落した。アントファガスタは

５％安。

　石油株は下落した後、値を戻した。ロイヤル・ダッチ・シェルは０．１％高。

石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）が総会で増産合意に至らず、年内の供給をめぐり懸念が広が

るなか、原油価格が上昇した。

　欧州株式市場は続落。米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のバーナンキ議長が米経済に関して

慎重な見方を示したことで、地合いが悪化した。アナリストによると、相場は一段安とな

る可能性がある。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>終値は９．７２ポイント（０．８８％）

安の１０９４．３３。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は２２．４４ポイント（０．８１％）安

の２７５２．０６。

　クレディ・スイスのシニアアドバイザー、ボブ・パーカー氏は「世界的にさえない経済

指標が今後も続く恐れがあるとの懸念から、地合いは非常に悪化している」と指摘。「バ

ーナンキ議長がＱＥ３（量的緩和第３弾）に関して何も示唆しなかったことで、欧州市場

では売りが膨らんだ。経済指標が上向かない限り、相場は向こう数週間で３─４％下落す

る可能性がある」と述べた。

　景気に敏感な鉱山株の下げがきつく、ＳＴＯＸＸ欧州６００資源株指数<.SX7P>は１．

６％安。アントファガスタ、カザキミス、ベダンタ・リソーシズ

はいずれも２．６─５％下落した。 　

　ギリシャ債務再編をめぐる懸念から２月以降下落基調にある銀行株も売られ、ＳＴＯＸＸ

欧州６００銀行株指数<.SX7P>は１．３％安となった。

　ギリシャへのエクスポージャーを抱える独コメルツ銀行は２．１％値を下げ

た。

　ドイツ日刊紙ウェルトによると、ショイブレ独財務相は、ギリシャは国家破たんを回避

するため、ユーロ圏諸国から相当な追加支援を必要としているとの認識を示した。

　リスク回避姿勢の高まりを反映し、ユーロＳＴＯＸＸ５０のボラティリティ指数<.V2TX>

は１．４％上昇した。

　＜ユーロ圏債券＞　ギリシャ国債利回りが急上昇した。ギリシャの債務問題への対応策

をめぐり先行き不透明感が増大したことで、周辺国国債が全般的に売られた。

　ドイツのショイブレ財務相はギリシャの債券保有者に対し「かなりの貢献」を求めると

の立場を示し、債務の返済期限の７年延長を提案した。

　欧州中央銀行（ＥＣＢ）はこれまで民間債権者によるロールオーバーの合意など、影響

が少ない方法でのギリシャ支援を提唱。ショイブレ財務相はＥＣＢとは異なる立場を示し

たことになる。

　ノルデア（コペンハーゲン）の首席アナリスト、ニールス・フロム氏はこの見解の相違

について「ドイツが対応を和らげるか、ＥＣＢが立場を変えるかする必要がある。これは、

支援策で合意に至るまでしばらく時間がかかることを示しており、市場にとり不安要因

となる」と述べた。

　ギリシャ国債２年物利回りは１０８ベーシスポイント（ｂｐ）上昇して

２４．２５％となった。同１０年物利回りと独連邦債１０年物との利回り格

差は１３３１ｂｐとなった。

　ポルトガル国債１０年物利回りは３０ｂｐ超上昇し１０．８％強と、ユ

ーロ導入以来の水準を更新した。　

　独連邦債先物は４０ティック高の１２４．８８で清算した。

　独連邦債２年物利回りは４ｂｐ低下の１．６９％、同１０年物

利回りは４ｂｐ低下の３．０５５％で推移した。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　９日　ロイター］