欧州市場サマリー（16日）

　　　　　　　　　　 　 1315GMT　　　　 15日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.4386 1.4444

ドル／円 　　 76.830 76.830

ユーロ／円 110.53 111.00

　　　　　　　　　　　 16日終値 　　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5357.63（＋7.05） 5350.58

　　クセトラＤＡＸ　　　　5994.90（‐27.34） 6022.24

金　現物午後値決め 1782.50 1739.00

　　　　　　　　　　　　 　先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(９月限)　 98.530 (＋0.025)　　0.438(0.431)

独連邦債２年物 0.684(0.729)

独連邦債１０年物(９月限) 133.56 (＋0.63) 2.270(2.340)

独連邦債３０年物 　 3.166(3.206)

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　＜為替＞　ユーロが幅広い通貨に対して値下がりしている。ドイツおよびユーロ圏の第

２・四半期の国内総生産（ＧＤＰ）が低い伸びにとどまったことを受けて経済成長鈍化に

対する懸念が広がり、スイスフランや円、ドルなどの安全資産への逃避買いが進んでいる。

　電子取引ＥＢＳによると、ユーロ／ドルは一時０．４％安の１．４３８３０

ドルをつけた。

　ユーロ／スイスフランは独ＧＤＰ統計の発表を受けて一時１．１％安の

１．１２０２０スイスフランまで下げた。スイス中銀が為替フォワード市場でレートを

チェックしているとのうわさで下げ幅を縮小した。

　ドル／円は、ほぼ横ばいの７６．８０円で取引されている。　

　＜株式＞　ロンドン株式市場は小幅続伸して引けた。７月の米鉱工業生産指数が市場予

想を大きく上回り、７カ月ぶりの強い伸びとなったことに加え、フィッチ・レーティング

スが米国の「ＡＡＡ」格付けを確認したことを受け、銀行株を中心に買いが入った。

　銀行株<.FTNMX8350>は一時マイナス圏で推移していたものの、フィッチの発表に支援さ

れて値を上げた。

　米国の鉱工業生産指数が好調だったことから原油先物が値上がりし、石油株

<.FTNMX0530>も追随して上昇した。

　ＢＧグループは１．９％、ロイヤル・ダッチ・シェルは０．５％、ＢＰ

は０．１％それぞれ値上がりした。

　取引終了後にメルケル独首相とサルコジ仏大統領による会談後の記者会見が予定されて

いたこともあり、引けにかけては不安定な値動きとなった。

　独仏首脳会談を前に不透明感から金価格が上昇。これを受けてランドゴールド・

リソーシズが４．１％高と大きく値を上げた。

　欧州株式市場は小反落して取引を終えた。一時はユーロ圏の国内総生産（ＧＤＰ）が弱

い内容となったことから大幅に下落したもの、好調な米国の経済指標を受けて下げ幅を縮

小した。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は０．０９ポイント（０．０１％）安

の９６９．１６。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は０．８１ポイント（０．０３％）安の

２３２３．６７。

　欧州経済のけん引役ドイツの第２・四半期のＧＤＰが０．１％増とほぼ横ばいで、ユー

ロ圏の成長率も０．２％に鈍化した。これについて、ＣＭＣマーケッツの市場アナリスト

Colin Cieszynski氏は「ソブリン債務危機による市場の信頼への影響と緊縮政策によって、

欧州経済が一段と圧迫されている」と述べた。

　経済成長の先行き不安から、独トラックメーカーのマンは３．２％、高級車

大手ＢＭＷは０．７％それぞれ値下がりした。

　一方で上昇したのはハイテク株。英半導体設計会社ＡＲＭは１％高、米仏系通

信機器大手アルカテル・ルーセントは２．４％値を上げた。フィンランドのノ

キアは５．１％高で取引を終えた。

　世界経済の先行き不透明感から投資家が安全資産に資金をシフトし、貴金属の価格が上

昇する中、フレスニロは３．６％、ランドゴールド・リソーシズは４．

１％それぞれ値上がりした。

　＜ユーロ圏債券＞　独連邦債先物が上昇。この日の独仏首脳会議でユーロ圏債務危機に

対する強力な措置が打ち出されず、市場に失望感が広がるなか、同先物は今後も上昇する

とみられている。

　独連邦債９月限はこの日前日比１８ティック高の１３３．１１で清算。その後、

独仏首脳が会見で欧州金融安定ファシリティー（ＥＦＳＦ）の規模拡大やユーロ圏共同債

（ユーロボンド）の必要性を示さなかったことを受けて上値を伸ばし、一時６７ティック

高の１３３．６０となった。

　会談後の会見で、フランスのサルコジ大統領は、メルケル首相とユーロ圏共通のガバナ

ンスのほか、金融取引への新たな課税を提案することで合意したことを明らかにした。た

だ、ユーロボンドを直ちに発行する必要があるとの見解は示されず、市場では全般的に失

望感が広がった。

　トレーダーの１人は、「独仏が法人税率などで協調することは方向性としては正しいが、

市場が期待していたようなことは何も示唆されなかった」と話した。

　会合前、市場では両首脳が債務危機を食い止めるための具体策を提案するとの期待が出

ていた。

　欧州中央銀行（ＥＣＢ）がイタリアとスペインの国債買い入れを続けているとみられる

なか、両国の１０年債利回りが５週間ぶりに５％を割り込んだ。

　１０年物イタリア国債利回りは３ベーシスポイント（ｂｐ）低下の

５．０２％で清算。一時、危機波及懸念で売りが加速した７月初め以来の低水準となる

４．９７９％をつけた。

　１０年物スペイン国債利回りは４．９９９％。この日行われたスペインの短期債入札は、

ＥＣＢの買い入れに支援され、平均落札利回りが７月半ばに行われた前回入札から低下し

た。

　独連邦債２年物利回りは終盤０．７３％となった。一時０．６５％まで低

下した。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１７日　ロイター］