欧州市場サマリー（14日）

　　　　　　　　　　 　 1334GMT　 　　　13日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.3721 1.3680

ドル／円 　　 76.670 76.920

ユーロ／円 105.22 105.25

　　　　　　　　　　　 14日終値 　　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5227.02（＋52.77） 5174.25

　　クセトラＤＡＸ　　　 5340.19（＋173.83） 5166.36

金　現物午後値決め 1818.50　　　　　　 1820.00

　　　　　　　　　　　　 　先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(12月限)　 98.695 (‐0.095)　　0.277(0.314)

独連邦債２年物 0.587(0.512)

独連邦債１０年物(12月限) 136.71 (‐1.02) 1.885(1.794)

独連邦債３０年物 　 2.773(2.717)

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　＜為替＞　ユーロが対ドルで値上がりしている。

　欧州委員会のバローゾ委員長がユーロ圏共同債の導入に関する選択肢を近く提出すると

表明したことから、ユーロ圏の債務危機緩和に対する期待感が高まっている。

　ただ、市場関係者の間ではユーロ高は限定的で、１．３８５０ドルを上抜けすることは

難しいとみられている。

　電子取引ＥＢＳによると、ユーロ／ドルは０．３％高の１．３７２６０ドル

で推移している。

　一方、ドル／円はやや値下がりし、７６．６８０円で取引されている。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は続伸。欧州委員会のバローゾ委員長がユーロ圏共同債の

導入に関する選択肢を近く提出する方針を示したことを好感した。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は２営業日続伸して引けた。ただ、９月はこれまで

３．１％値下がりしている。

　欧州金融安定ファシリティー（ＥＦＳＦ）の変更に関するオーストリア議会の承認が

１０月にずれ込む可能性があるとのニュースや、８月の米小売売上高が市場の予想を下回

ったことから、相場の上値は重かった。

　ＢＰが３．５％高と石油株の上昇をけん引した。メキシコ湾のマコンド海底油井

で起きた大規模な原油流出事故について、同社とパートナー各社双方に責任があるとする

米政府調査団の報告書が好感された。

　この日の株高をけん引したのは、アパレル小売のネクスト。上半期の業績が予

想を上回り６．３％値上がりした。

　欧州株式市場は続伸して引けた。欧州委員会のバローゾ委員長によるユーロ圏共同債に

関する発言で、ソブリン債務危機が緩和されるのではないかとの期待感が広がった。

　不安定な取引のなか、ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は１２．７９ポ

イント（１．４２％）高の９１３．２２で引けた。一方、７月下旬以降では１８％値下が

りしている。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は４６．７４ポイント（２．２９％）高

の２０８３．３８。

　この日の株高についてKames Capitalで戦略部門を統括するビル・ダイニング氏は、構

造的にまだ多くの問題があるとしたうえで、「ユーロ圏共同債は理にかなってはいるが、

現在、政策立案に関する論議が行われている段階で、欧州財政の統一を目的に導入するの

は難しいかもしれない」との見方を示した。

　市場関係者は、この日行われるギリシャ、ドイツ、フランスの首脳による電話会議に注

目している。

　オクトパス・インベストメンツの最高投資責任者（ＣＩＯ）、ローサー・メンテル氏は

「市場の関心は、もはやファンダメンタルズではなく政治家の発言に寄せられている。株

価は、ギリシャの秩序あるデフォルト（債務不履行）に関する論議の行方に左右されるだ

ろう」と話す。

　この日、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、ギリシャへのエクスポージャー

を理由に仏クレディ・アグリコルとソシエテ・ジェネラル（ソジェン）

の格付けを１段階引き下げたことを受け、仏銀株の値下がりがきつかった。

　ソシエテ・ジェネラルは２．９％、ＢＮＰパリバは３．９％それぞれ下落し

た。

　一方、値上がり株第１位はイタリアの機械産業フィンメカニカで１６．９％

急騰した。米ゼネラル・エレクトリック（ＧＥ）が同社傘下のアンサルドＳＴＳ

の買収に興味を示していると報じられたことが材料となった。

　＜ユーロ圏債券＞　独連邦債が下落。ユーロ圏共同債の導入に向けて当局者が提案をま

とめているとの期待感から一部でリスク選好が戻った。

　欧州委員会のバローゾ委員長は１４日、ユーロ圏共同債の導入に関する選択肢を近く提

出することを明らかにした。ただ、共同債の導入が実現しても、すぐに危機が解決できる

わけではないとの認識も示した。

　共同債構想をめぐっては、ユーロ圏債務危機に対する唯一の長期的解決策とみる向きも

あるが、政治的意思の欠如などから実現の可能性は低いとの指摘も聞かれる。　

　独連邦債先物は８６ティック安の１３６．８７で清算。ただ、同先物は７月下

旬以降、ギリシャのデフォルト（債務不履行）懸念拡大やイタリアへの危機波及を背景に

１２ポイント超上昇している。

　ＩＮＧの金利ストラテジスト、アレッサンドロ・ジアンサンティ氏はきょうの取引が持

続的なトレンドにつながるとは予想していないとし、欧州債務危機の動向をめぐっては依

然として不透明な点が多いと指摘した。

　１０年物独連邦債利回りは７ベーシスポイント（ｂｐ）上昇の

１．８５８％。これについても長期的には過去最低を下回る水準に低下する傾向にあると

みられている。　

　市場では、ギリシャと独仏の首脳がこの日行う電話協議の結果に関心が集まっている。

ギリシャが欧州連合（ＥＵ）・国際通貨基金（ＩＭＦ）の支援条件となっている財政目標

を達成できないとの不安が広がるなか、ユーロ圏当局者の間ではデフォルトへの言及が出

ている。

　ギリシャ２年債利回りは一時約３％ポイント上昇し、９５％に迫ったが、

その後８７％まで低下した。

　イタリア１０年債利回りは１０ｂｐ低下の５．６０５％、スペイン１０

年債利回りは２ｂｐ低下した。

　市場ではスペインが１５日に実施する最大４０億ユーロの国債入札が注目されている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１５日　ロイター］