欧州市場サマリー（22日）

　　　　　　　　　　　　　　 1311GMT 　　　　 21日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.3322 　　　　 1.3436

ドル／円 　　　　 93.010　　　　 93.130

ユーロ／円 123.92 　　　　 124.66

　　　　　　　　　　　　　　22日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5665.33（‐58.10） 5723.43

　　クセトラＤＡＸ　　　　　6168.72（‐61.66） 6230.38

金　現物午後値決め 1133.75 1143.00

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(６月限)　 99.260 (‐0.035)　　0.253(0.267)

独連邦債２年物 0.894(0.890)

独連邦債１０年物(６月限) 124.00 (＋0.24) 3.060(3.081)

独連邦債３０年物 　 3.801(3.847)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ユーロが対ドルで２週間ぶりの安値に下落している。２００９年のギリシャ

の財政赤字が上方修正されたことで、同国の資金調達をめぐる投資家の懸念が高まった。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は続落し１カ月ぶり安値で引けた。当初の地合いは堅調だ

ったものの、欧州連合（ＥＵ）統計局が２００９年のギリシャの財政赤字を上方修正した

ことを受けて投資家心理が圧迫され、商品（コモディティー）・銀行株に売りが出た。

　ムーディーズ・インベスターズ・サービスがこの日、ギリシャのソブリン格付けを１ノ

ッチ引き下げ「Ａ３」としたことも市場の不安感を誘った。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は５８．１０ポイント（１．０２％）安の

５６６５．３３で終了した。終値として３月２２日以来の安値をつけた。

　シティ・インデックスの市場ストラテジスト、ジョシュア・レイモンド氏は「（投資家

の不安心理の度合いを示す）ボラティリティー・インデックス（ＶＩＸ指数）が上昇した。

市場に若干の調整が入る可能性があるとの警戒感を投資家が抱いていることを示してい

る」と述べた。

　米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所（ＣＢＯＥ）の

ＶＩＸ指数<.VIX>は６．６％上昇した。

　商品価格は、安全資産としてのドル買いが強まったことなどを背景に値を削る展開とな

った。鉱山株はフレスニロ、ロンミン、ユーラシアン・ナチュラル・リ

ソーシズ（ＥＮＲＣ）、カザキミスが２．１―２．５％下落した。

　米原油先物が軟調となるなか、ロイヤル・ダッチ・シェル、ＢＰ、

ＢＧグループが１．１―１．８％安。

　銀行株も売り優勢。ＨＳＢＣ、バークレイズ、スタンダード・チャー

タード（スタンチャート）、ロイズ・バンキング・グループ、ロイヤル

・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）が０．４―１．７％下落した。

　一方、個別銘柄では半導体メーカーのＡＲＭが３．４％上昇し前日から一段高。

大手企業による買収観測のほか、２０日発表された米アップルの好決算に支援

された。

　欧州株式市場は続落し、主要株価指数は３週間ぶりの安値で終了した。ギリシャ財政危

機に対する懸念から銀行株が売られた。また、業績見通しを引き下げたフィンランドの大

手携帯電話機メーカー、ノキアが下落し、相場全体を押し下げた。

　欧州連合（ＥＵ）統計局が２００９年のギリシャ財政赤字の国内総生産（ＧＤＰ）に対

する比率を１２．７％から１３．６％に修正したことを受け、市場心理が悪化。さらにム

ーディーズがギリシャのソブリン格付けを引き下げたことで、市場心理は一段と冷え込ん

だ。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>終値は１２．２２ポイント（１．１１

％）安の１０８３．８８。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は５０．０５ポイント（１．７０％）安

の２８９７．５９。

　前日に引き続き銀行株が売られた。ギリシャ銀行株指数<.FTATBNK>は５．４％下落。サ

ンタンデール、ＢＢＶＡ、ＨＳＢＣ、 ＢＮＰパリバ、

ソシエテ・ジェネラルは０．７─３．１％安。

　ブリューイン・ドルフィンのチーフ・ストラテジスト、マイク・レンホフ氏は「ギリシ

ャがこの日の中心的な話題になっている」と指摘。この日のムーディーズによるギリシャ

のソブリン格下げに言及し「何かが発表され問題の解決に近づくたびに、新たなハードル

が出現するように思える」と述べた。

　クレディ・スイスは４．７％安。第１・四半期決算が米金融大手の好調な決

算と比べて見劣りしたことで売られた。

　ノキアは１４％を超えて下落。２カ月ぶりの安値で引けた。

　原油価格の下落を受け、エネルギー関連株も下げた。ＢＰ、ＢＧグループ

、ロイヤル・ダッチ・シェル、トタルは０．６─１．８％安で

引けた。

　＜ユーロ圏債券＞　ギリシャ国債利回りがユーロ導入以来の最高水準に上昇し、ユーロ

圏周辺国の国債保証コストが過去最高水準をつけた。ギリシャ国債が売られるなか、ギリ

シャの支援要請が現実味を帯び始めている。

　欧州連合（ＥＵ）統計局は、２００９年のギリシャの財政赤字を上方修正するとともに、

同国の統計の信頼度が低いことから一段と修正が行われる可能性があるとしたことから、

市場に動揺が走り、ギリシャ国債利回りが急上昇した。

　クレディ・アグリコルの欧州債券戦略部門を統括するデビッド・キーブル氏は「完全な

パニックを引き起こした」と述べた。

　ギリシャ国債２年物利回りは１０％を超え過去最高をつけた。同１０年物

利回りは９．１３％に上昇し、独連邦債との利回り格差は６０８ベーシス

ポイント（ｂｐ）に拡大、１２年ぶりの高水準を更新した。

　終盤に入り、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ギリシャのソブリン格付け

を１ノッチ引き下げ「Ａ３」とし、政府が市場の信頼を回復できなければ一段の格下げの

可能性があるとした。

　ＣＭＡデータビジョンによると、この日のクレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）

市場では、ギリシャ国債の保証コストが６１６ｂｐに上昇。イラク国債の保証コストを

２００ｂｐ超上回り、ウクライナを超えて欧州各国の国債のなかで最も高い保証コストと

なった。

　スペインとポルトガル国債の保証コストも過去最高水準に上昇し、独連邦債との利回り

格差も拡大した。

　ロイズＴＳＢの市場エコノミスト、ケネス・ブロー氏は「確かな脅威があるとは思わな

いが、特にポルトガルについて、明らかに一部悪影響（の波及）がある」と述べた。

　質への逃避買いで独連邦債は上昇。独連邦債先物６月限の清算値は１２４．０

１となった。一時１２４．３１に上昇した。

　独連邦債１０年物利回りは約３ｂｐ低下し３．０５８％。同２年物

利回りはほぼ横ばいの０．８９％。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　２３日　ロイター］