欧州市場サマリー（26日）

　　　　　　　　　　　　　　 2030GMT 　　　　 23日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.3336 　　　　 1.3383

ドル／円 　　　　 94.240 　　　　 93.910

ユーロ／円 125.69 　　　　 125.65

　　　　　　　　　　　　　　26日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5753.85（＋30.20） 5723.65

　　クセトラＤＡＸ　　　　　6332.10（＋72.57） 6259.53

金　現物午後値決め 1154.50 1139.50

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(６月限)　 99.265 (＋0.000)　　0.260(0.249)

独連邦債２年物 0.892(0.925)

独連邦債１０年物(６月限) 124.10 (＋0.13) 3.053(3.063)

独連邦債３０年物 　 3.781(3.801)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ユーロがドルやポンドに対し下落している。対ギリシャ支援の規模と実施時

期に関する不透明感が払しょくされず、ユーロ圏諸国がギリシャのデフォルトを回避する

ことができるのか懸念が高まっていることが背景。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は続伸。金属価格の上昇を背景に鉱山株に買いが入り、ギ

リシャ債務問題の影響をめぐる懸念を打ち消した。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は一時５８００．６６に上昇した。

　前週発表の３月米新築住宅販売が堅調だったことに加え、米企業から好調な四半期業績

発表が続いていることで、米経済に対する楽観的な見方が広がり、金属価格が上昇。鉱山

株に買いが入った。

　鉱山株が上昇。アントファガスタ、ユーラシアン・ナチュラル・ リソーシズ

（ＥＮＲＣ）、カザキミスが３．５―７．１％値を上げた。

　ブリューイン・ドルフィンのチーフストラテジスト、マイク・レノフ氏は「企業決算が

相場を押し上げた。特に米企業の決算はこれまで、まさに目を日張るようだ」と述べた。

　米重機メーカーのキャタピラーがこの日発表した第１・四半期決算は利益が予

想を上回り、景気回復に対する投資家の信頼感を裏付ける格好となった。

　銀行株が一段高。バークレイズ、ＨＳＢＣ、ロイズ・バンキング・グ

ループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）が

０．６―４％上昇した。

　医薬品株も堅調。米医薬品大手メルクが前週２３日、３月に成立した医療保険

制度改革法に伴う費用の試算を発表し、費用は競合他社と比較して低いとしたことで、同

法成立を受けた負担増への懸念が緩和。米医薬品会社の株価が上昇した。こうした動きの

なか、シャイアが２．５％高。週内に四半期決算の発表を控えるグラクソ・スミ

スクラインは０．７％上昇した。

　エネルギー株では、同じく週内に第１・四半期決算発表を控える石油大手ＢＰが

２％下落。米メキシコ湾のリグ（石油掘削装置）の爆発事故で、業績に影響が出る恐れが

ある。

　個別銘柄では、電力安定供給サービス提供のクロライドが４２％急伸。米エマ

ーソン・エレクトリックが１株当たり現金２７５ペンスでの買収案を提示した。

　衛星放送のＢスカイＢが２．２％安。２９日の第３・四半期決算を前にジェフ

リーズが投資判断を「ホールド」に引き下げた。

　欧州株式市場は、続伸しほぼ１週間ぶり高値で引けた。ギリシャの債務問題で慎重姿勢

が続く一方、前週２３日に発表された堅調な米指標の影響や企業決算の心強い内容で市場

心理が上向いた。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は１０．７６ポイント（０．９９％）

高の１１０３．００。終値として４月２０日以来の高値となった。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は２８．９３ポイント（０．９９％）高

の２９４７．０４。

　銅が１週間ぶり高値となるなど主要な非鉄金属相場が上昇したことや、経済成長

・商品（コモディティ）需要に対する前向きな見方が鉱山株を支援した。ＢＨＰビリトン

、アングロ・アメリカン、アントファガスタ、リオ・ティント

、エクストラータ、ユーラシアン・ナチュラル・リソーシズが

１．９―７．１％高となった。

　銀行株も全般的に好調。ＨＳＢＣ、バークレイズ、ロイズ・バンキン

グ・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（ＲＢＳ）、

ＢＮＰパリバ、ソシエテ・ジェネラル、ナティクシスが

０．６―５．４％値上がりした。

　バンク・オブ・アイルランドは５％高。アイルランド政府の一段の支援に頼ら

ず、３４億ユーロ（４６億ドル）の資金調達を実施する計画を明らかにした。

　ただ、ギリシャの銀行株指数<.FTATBNK>は２．７％下落した。ナショナル・バンク

、ＥＦＧユーロバンク、バンク・オブ・ピラエウスが

３．６―５．２％安。

　ギリシャは同国への支援実施によって債務不履行（デフォルト）は回避されるとし、懸

念払しょくに努めているものの、投資家の懐疑的な見方は消えていない。ギリシャ国債の

独連邦債との利回り格差が１２年ぶり水準に拡大するなか、ドイツのショイブレ財務相は、

ギリシャ債務が５月１９日に期限を迎える前に、支援準備を整えることを目指す意向を示

した。

　同国は５月１９日に償還日を迎える国債８５億ユーロ（１１３億ドル）を借り替える必

要がある。

　需要回復への期待から自動車株も買い優勢。ＢＭＷ、ダイムラー、

ポルシェ、フォルクスワーゲン、プジョー、ルノー

は０．１―１．６％高。

　＜ユーロ圏債券＞　ギリシャ国債への圧迫が強まり、独連邦債との利回り格差が１２年

ぶりの高水準を更新した。対ギリシャ支援の実施時期や条件をめぐり投資家のいら立ちが

高まっている。

　ギリシャは週末２５日、５月１９日の債務借り換えまでに緊急支援が実施され、デフォ

ルト（債務不履行）は回避されるとの見通しを示したが、支援をめぐるドイツ当局者の発

言が投資家心理を圧迫し、ギリシャ国債の一段の売りを誘った。

　ウニクレディトＭＩＢのチーフエコノミスト、マルコ・アヌジアータ氏は「ユーロ加盟

国が３週間後にデフォルトしかねない状況に陥っているのは異常だ。直前まで不透明性が

解決されないのは明白だ」と述べた。

　１０年物のギリシャ国債の独連邦債との利回り格差 は前

週記録した６１１ベーシスポイント（ｂｐ）を上回る６８０ｂｐに拡大し、１９９８年２

月の水準と並んだ。

　ＲＩＡキャピタルマーケッツのストラテジスト、ニック・スタメンコビッチ氏は「市場

は不透明性を嫌う。ギリシャは正式に支援を要請したが、いつ実施されるかわからない」

と指摘した。

　ドイツのメルケル首相は２６日、対ギリシャ支援の条件として財政再建に向けた同国の

取り組み強化を求めた。首相はベルリンで記者団に対し「（支援に向け）一段の緊縮財政

措置とともにギリシャに進展が必要」と述べた。

　ギリシャ国債１０年物利回りはおよそ１０％に上昇。２年物利回りは一時

３４０ｂｐ近く上昇し、１４％をつけた。長短金利が逆転し、２・１０年物の逆転幅は約

４００ｂｐとなった。

　ギリシャ国債のクレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）のスプレッドは７００ｂ

ｐを超えて最高水準を更新。１日の上昇幅としては過去２番目の大きさとなった。ＣＤＳ

スプレッド１ｂｐは、債務１０００万ユーロに対する保証料１０００ユーロに相当する。

　１０年物のポルトガル国債と独連邦債の利回り格差はユーロ導入以来の

最高水準となる２３１ｂｐに上昇した。ＣＤＳスプレッドも過去最高の３１８ｂｐをつけ

た。

　ポルトガルのアマード外相は２６日、高まる金融市場の圧力に懸念を表明し、同国はギ

リシャのような状況に陥らないよう全力を尽くしていると述べた。

　独連邦債先物は９ティック高の１２４．０６。一時１２４．３４に上昇した。

　独連邦債１０年物利回りは１．２ｂｐ低下し３．０５２％。同２年物

利回りは３ｂｐ近く低下し０．９０５％。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　２７日　ロイター］