欧州市場サマリー（11日）

　　　　　　　　　　　　　　 1321GMT　　　　 10日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.2714 　　　　　1.2781

ドル／円 　　　　 92.660 　　　　　93.290

ユーロ／円 117.84 　　　　　119.24

　　　　　　　　　　　　　　11日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5334.21（‐53.21） 5387.42

　　クセトラＤＡＸ　　　　　6037.71（＋19.80） 6017.91

金　現物午後値決め 1222.50 1196.50

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(６月限)　 99.235 (‐0.005)　　0.214(0.211)

独連邦債２年物 0.588(0.589)

独連邦債１０年物(６月限) 125.67 (＋0.18) 2.941(2.941)

独連邦債３０年物 　 3.756(3.712)

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　＜為替＞　ユーロが下落。欧州の１兆ドル規模の緊急支援措置を受けた買いが一服した。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反落。ユーロ圏の総額１兆ドルの緊急支援措置をめぐる

各国負担や財政赤字削減達成への疑問のほか、中国の金融引き締め観測や不透明な英政局

への懸念が投資家心理を圧迫した。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は５３．２１ポイント（０．９９％）安の

５３３４．２１。前日は緊急支援措置を好感し５．２％急上昇していた。

　シティ・インデックスの市場ストラテジスト、ジョシュア・レイモンド氏は「緊急支援

措置を受けた熱狂は消化された。投資家は早々に、ユーロ圏が厳しい財政（赤字）削減と

不透明な成長見通しに直面しているとの結論に達した」と述べた。

　リスク許容度の動向に左右されやすい銀行株の下げが目立った。バークレイズ、

ＨＳＢＣ、ロイズ・バンキング・グループ、スタンダード・チャーター

ドが１．２―３．１％下落した。

　ロイヤル・バンク・ オブ・スコットランドは３．４％安。ドイツ銀による投資

判断引き下げが追い打ちとなった。

　鉱山株は金属価格に連れ安の展開。４月の中国の消費者物価指数（ＣＰＩ）が１年６カ

月ぶりの水準に小幅上昇したことを受けて金融引き締め観測が高まり、需要見通しに影を

落とす格好となった。

　特にエクストラータ、ベダンタ・リソーシズ、カザキミスが

３．９─４．２％安と下げがきつかった。

　一方、金やドルに対する質への逃避の流れを背景に、産金ランドゴールド・リソーシズ

は５．２％急伸した。

　需要懸念が圧迫しエネルギー株も軟調。ＢＧグループ、ＢＰ、ロイヤル・

ダッチ・シェルが０．３─１．５％値を下げた。

　個別銘柄ではＴＵＩトラベルが３．８％安。火山灰による空の足の乱れにより、

これまでに利益が約９０００万ポンド圧迫されたことを明らかにした。また、上期の税引

前損失が前年同期の３億３３００万ポンドから３億６７００万ポンドに拡大したと発表し

た。

　欧州株式市場は反落。欧州連合（ＥＵ）と国際通貨基金（ＩＭＦ）が打ち出した１兆ド

ル規模の緊急支援措置が長期的な解決策ではないとの見方が高まったほか、ギリシャ財政

再建をめぐる疑念が相場を圧迫した。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は３．９１ポイント（０．３８％）安

の１０３５．００。相場は一時２％超下落したものの、米株価上昇を手がかりに、終盤に

かけて下げ渋った。

　前日は緊急支援措置を受けた高揚感から、７．４％高と急上昇していた。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は２８．４１ポイント（１．０３％）安

の２７３０．４８。

　銀行セクターの下げが目立ち、ＳＴＯＸＸ欧州６００銀行指数<.SX7P>は１．８％安。

　バンコ・サンタンデールは３．３％、ＢＢＶＡは３．１％それぞれ

下落した。

　ギリシャ銀行株<.FTATBNK>は４．９％安。

　ＨＳＢＣ、バークレイズ、スタンダード・チャータードなど

の英銀が軒並み下落したほか、ＢＮＰパリバも２．３％安となった。

　銅が１．１％安となるなか、鉱山株が安い。４月の中国消費者物価指数（Ｃ

ＰＩ）が１年半ぶりの水準に上昇し、金融引き締めの可能性をめぐる懸念が高まったこと

も圧迫材料となった。

　アングロ・アメリカン、アントファガスタ、ＢＨＰビリトン、

ユーラシアン・ナチュラル・リソーシズ、リオ・ティント、エクストラ

ータは１．４─３．９％安。

　個別銘柄ではスペインのテレフォニカが３．７％安。ブラジル最大の携帯電話

サービスのビボ買収に向けて提示していた敵対的買収案が、ポルトガル・テレ

コムにより拒否された。

　半面、ポルトガル・テレコムは５．９％上昇した。　

　＜ユーロ圏債券＞　欧州中央銀行（ＥＣＢ）による国債買い入れが支援し、ユーロ圏周

辺国の国債価格が上昇した。ただ、１兆ドル規模の欧州の緊急支援措置発表を受けた高揚

感は薄らぎ、広範なリスク選好が後退したことから、独連邦債への需要が高まった。

　ＨＳＢＣで債券調査部門を統括するスティーブン・メジャー氏は「ユーロ圏周辺国債を

すでに保有している場合、喜んでもうしばらく保有し続けるだろう」とし、ＥＣＢの国債

買い入れを受けてスプレッドの急拡大は抑制されるとの見方を示した。

　１０年物のギリシャ国債利回りは約５０ベーシスポイント（ｂｐ）低下

し７．７％。独連邦債との利回り格差は４７７ｂｐに小幅縮小した。

　ただ、ギリシャやポルトガルなどのユーロ圏周辺国債市場では引き続き売買が少なく、

中銀が最も活動的な買い手となっている。

　あるトレーダーは「午前の取引では安定した買いがあったが、中銀が市場から離れた後

は、商いが再び非常に薄くなった」と述べた。

　１０年物のポルトガル国債と独連邦債の利回り格差は１７５ｂｐに小幅

縮小。アイルランド国債も１９０ｂｐと若干縮小した。スペイン国債

は横ばいの約１０７ｂｐ。

ＣＭＡデータビジョンによると、ギリシャ国債の５年物ＣＤＳスプレッドは５４０．９

ｂｐと、前日のニューヨーク取引終了時の５８４．４ｂｐから縮小した。ＣＤＳスプレッ

ド１ｂｐは、債務１０００万ユーロに対する保証料１０００ユーロに相当する。

　１５１５ＧＭＴ時点で、独連邦債先物清算値は１４ティック高の１２５．６３。

前日は６月限が一時約１５０ティック下落していた。

　独連邦債１０年物利回りは０．５ｂｐ低下の２．９４３％。同２年物利回

りは２．４ｂｐ低下の０．５８６％。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１２日　ロイター］