欧州市場サマリー（8日）

　　　　　　　　　　　　　　 1312GMT 　　　 7日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.2692 　　　　 1.2682

ドル／円 　　　　 83.880 　　　　83.800

ユーロ／円 106.45 　　　　106.28

　　　　　　　　　　　　　　 8日終値 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5429.74（＋21.92）　5407.82

　　クセトラＤＡＸ　　　　6164.44（＋46.55）　6117.89

金　現物午後値決め 1255.00 　　　　 1256.75

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(12月限)　 99.045 (‐0.020)　　0.272(0.273)

独連邦債２年物 0.631(0.576)

独連邦債１０年物(12月限) 131.37 (‐0.33) 2.306(2.271)

独連邦債３０年物 　 2.870(2.858)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　円が対ドルで１５年ぶり高値を更新。スイスフランは対ユ

ーロで過去最高値をつけた。ユーロ圏の銀行やソブリン債をめぐる懸念を背景に安全資産

を求める動きが強まった。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反発。石油大手ＢＰ主導でエネルギー関連株が上

昇し、欧州の景気回復懸念から売られた銀行株の下げを吸収した。

　ＩＧインデックスの首席市場ストラテジスト、デビッド・ジョーンズ氏は「ＦＴ総合株

価指数は４カ月前の水準に向かって再び戻している。ただ、米国や他の欧州諸国の株価水

準は４カ月ぶり高値には程遠いため、いくぶん不可解ではある」と述べた。

　ＢＰは１．３％上昇。同社はこの日、米メキシコ湾での原油流出の原因となったリグ

（石油生産基地）爆発事故に関する調査報告書を公表。この中で施設運営・建設に関わっ

た油田サービスのトランスオーシャンおよびハリバートンに大部分の責任

があるとした。

　資源大手リオ・ティントは０．７％高。同社が肥料原料となる炭酸カリウム生

産大手のロシアのウラルカリの一部株式の取得を検討しているとの報道が材料

視された。

　銀行株は下落。バークレイズは１．９％下げた。同行に関しては、バーンスタ

インが評価を「アウトパフォーム」から「マーケットパフォーム」に引き下げたことが嫌

気された。

　欧州株式市場は上昇。指数は４カ月ぶり高値で引けた。半導体メーカーのＡＲＭホール

ディングスをめぐる買収観測でハイテク株に買いが入り、鉱山株も値上がりした。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は１０．２１ポイント（０．９６％）

高の１０７２．００。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は２５．７３ポイント（０．９４％）高

の２７５２．８９。

　ＡＲＭは５．８％高。韓国サムスン電子<005930.KS>が新型携帯電話向けにＡＲＭの技

術を選定したことを受け、ＲＢＳは同社の投資判断を「バイ」に据え置いた。

　ポルトガルがこの日の入札で１０億４０００万ユーロ（１３億２０００万ドル）を無事

調達したことも相場を支えたという。ただ利回りは過去と比較して上昇し、周辺国を取り

巻く環境の厳しさが浮き彫りになった。

　ＢＮＰパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツ（ブリュッセル）の調査部長、

フィリップ・ジゼル氏は「世界経済をめぐる不透明感が根強く、市場は一段と大きな問題

への答えが見い出せないなか、良くも悪くも小さな材料に反応している」と述べた。

　ポルトガルの株価指数ＰＳＩ２０<.PSI20>は０．８％安。アイルランドのＩＳＥＱ

<.ISEQ>は０．９％下落した。

　アイルランドのレニハン財務相はこの日、国有化したアングロ・アイリッシュ銀行

[ANGIB.UL]をファンディングバンクと資産回収バンクに分割する方針を明らかにした。

財務相は声明で、ファンディングバンクは新規の融資業務には従事せず、「財務省が直接

所有する」と説明。ただ価格や時期には触れなかった。

　バンク・オブ・アイルランドは３．９％安。アライド・アイリッシュ・バンク

は０．８％安。

　ギリシャ・ナショナル銀行（ＮＢＧ）は７日、債務危機に対応するため、株

主割当増資、転換社債、黒字のトルコ子会社の株式売却によって２８億ユーロ（３６億ド

ル）を調達する計画を発表した。同社株は６．４％下落した。

　＜ユーロ圏債券＞　不安定な取引の中、株価上昇を受け独連邦債が下落して終了した。

ポルトガルが実施した国債入札が底堅かったことで周辺国国債が支えられたことも圧迫し

た。

　独連邦債先物は１ポイントのレンジ内で取引されていたが、午後に入り米国債が下落し

たことで上げ幅を縮小。ただ銀行セクターに対する懸念から下値は支えられた。

　インベステックのエコノミスト、フィリップ・ショー氏は「市場は方向性を欠いている」

と述べた。

　この日から中心限月となった独連邦債先物１２月限の清算値は４５ティック安

の１３１．２５。一時は４４ティック上昇する場面もあった。

　独連邦債１０年物利回りは３ベーシスポイント（ｂｐ）上昇の

２．２９４％。同２年物利回りは６ｂｐ上昇の０．６３７％。

　この日はポルトガルが総額１０億４０００万ユーロの国債入札を実施。落札利回りはこ

れまでの入札よりも上昇した。

　ポルトガル国債１０年物利回りは、２カ月ぶりの高水準から低下し、

６．００％を下回った。ただ、高水準の政府債務や銀行部門のぜい弱性に対する懸念を反映

し、過去１カ月と比べると９０ｂｐ程度高い水準で推移している。

　ポルトガル国債１０年物と独連邦債の利回り格差は３８０ｂｐと、５月上旬以来の高水

準になった。ただ、清算時点までに約３５５ｂｐと、前日から若干縮小した。

　アイルランド国債１０年物の利回り格差は、前日につけたユーロ導入の

高水準の３９０ｂｐから約１０ｂｐ縮小した。

　市場では、欧州中央銀行（ＥＣＢ）がこの日、ギリシャ国債、およびアイルランド国債

の買い入れを実施した兆候が見られたとの声が聞かれた。あるトレーダーは「ギリシャと

アイルランド（の国債）の買い入れがあった。ただし規模は大きくなかった」と述べた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　９日　ロイター］