欧州市場サマリー（24日）

　　　　　　　　　　　　　　 1428GMT 　　　　23日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.3392 　　　　 1.3371

ドル／円 　　　　 83.280 　　　　83.160

ユーロ／円 111.57 　　　　111.12

　　　　　　　　　　　　　　24日終値 　　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5657.10（＋ 75.82） 5581.28

　　クセトラＤＡＸ　　　　　6823.80（＋118.80）　6705.00

金　現物午後値決め 　1372.50　　　　　　　1377.50　　　　　

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(12月限)　 98.940 (＋0.000)　　0.538(0.555)

独連邦債２年物 0.998(0.925)

独連邦債１０年物(12月限) 127.55 (‐1.33) 2.676(2.559)

独連邦債３０年物 　 3.203(3.097)

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　＜為替＞　ユーロが対ドルで上昇し、２カ月ぶり安値から値を戻した。米新規失業保険

申請件数が予想を上回る減少となり労働市場の若干の改善が示されたことを背景に、米経

済の一段の回復に対する期待が高まり、リスク選好の動きが回復した。

　ただ、アイルランドの財政危機がユーロ圏の他国に広がる可能性があるとの懸念から上

値は重い。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反発。米英の底堅い経済指標を受けて市場心理が改善し、

今週大きく売られていた銀行株や商品（コモディティ）株が買い戻される展開となった。

　エネルギー株<.FTNMX0530>が堅調。米エネルギー情報局（ＥＩＡ）週報を受けて原油価

格が上昇したことが背景にある。鉱山株<.FTNMX1770>も金属価格の値上がりを背景に買い

優勢となった。

　この日の指標は、第３・四半期の英国内総生産（ＧＤＰ）改定値が前期比プラス０．８

％と予想通りだったほか、米新規失業保険申請件数が予想を上回って減少した。

　リスク動向に左右されやすい銀行株<.FTNMX8350>も上昇。スタンダード・チャータード

が１．９％値を上げた。

　トレーダーによると、朝鮮半島の緊張をめぐる懸念が和らいだことがセンチメントの押

し上げに寄与したもよう。米国務省はこの日、北朝鮮による韓国の延坪島砲撃について、

単発的な行動であり、さらなる軍事行動の用意はないとの見方を示した。

　個別銘柄ではケータリング世界最大手のコンパス・グループが７．３％高と急

伸。通年の利益が予想を上回ったほか、通期配当を３３％引き上げた。

　欧州株式市場では、米独で堅調な経済指標が発表されたことでリスク許容度が改善し、

株価は反発して終了した。ただ市場では、ユーロ圏周辺国の債務水準をめぐる懸念は依然

として払しょくされていない。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>終値は１０．９６ポイント（１．０２

％）高の１０８７．６７。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は１８．６５ポイント（０．６８％）高

の２７５８．０２。

　この日はポルシェが６．３％高、ダイムラーが５．１％高で引

けるなど、自動車株が相場をけん引した。

　この日発表された経済指標では、ドイツのＩＦＯ経済研究所の１１月の独業況指数が

１９９１年以来の高水準となったことをはじめ、米国の週間新規失業保険週間申請件数が

約２年ぶりの低水準となるなど、株式市場の支援材料となった。

　キャピタル・スプレッズの販売部門を統括するアンガス・キャンベル氏は「数週間前に

アイルランド問題が表面化してから市場心理は非常に悪い状態になっていたが、この日は

複数の国で堅調な経済指標が発表されたことで、投資家心理は上向いた」と述べた。

　金属価格の上昇を受け、鉱山関連株が買われた。アントファガスタは４．３％、

エクストラータは４．２％、それぞれ上昇した。

　銀行株も総じて買われたものの、バンク・オブ・アイルランドは１１％下落し

た。同銘柄の週初からの下落率は４４．５％に達している。その他、ＢＮＰパリバ

は０．４％安、ナティクシスは１．２％安で引けた。

　＜ユーロ圏債券＞　周辺国債の利回りが上昇。アイルランドの債務問題をめぐる不安が

高利回り債を圧迫した。独連邦債価格は大幅安となった。

　アイルランド問題がスペインやポルトガルに飛び火するとの懸念が根強いなか、周辺国

債と独連邦債の利回り格差（スプレッド）は拡大した。

　スペインの１０年国債利回りは５％を超え、スプレッドは２６０ベーシスポイント（ｂ

ｐ）とユーロ導入以来の高水準をつけた。ポルトガル国債のスプレッドも４８１ｂｐとユ

ーロ導入以降で最高となった。クレジット・デフォルト・スワップ市場では両国債とも保

証料が急上昇した。

　ＢＮＰパリバのストラテジスト、マテオ・レジェスタ氏は、次はポルトガルが支援要請

を迫られるだろうとした上で、「同国は遅くとも来年第１・四半期末までに緊急融資制度

の利用を余儀なくされるのではないか」と述べた。

　その後、周辺国債のスプレッドは一時の高水準から戻した。トレーダーによるとイタリ

アやスペイン国債に買いが入ったほか、欧州中央銀行（ＥＣＢ）がポルトガル国債を買い

入れた。その一方で独連邦債は大きく値を下げた。

　独連邦１０年債の清算値は１１６ティック安の１２７．７２。この日行われた

国債入札がさえなかったことに加え、１１月の独ＩＦＯ業況指数が１９９１年以来の高水

準に改善し、安全資産買いが後退した。

　アイルランド政府はこの日、総額１５０億（２００億ドル）ユーロ規模の財政再建４カ

年計画を発表した。銀行部門の建て直しを図るとともに、欧州連合（ＥＵ）・国際通貨基

金（ＩＭＦ）の支援条件に沿うべく、大幅な支出削減や増税が盛り込まれた。

　ただ市場の反応は冷ややかで、１０年物アイルランド国債利回りは９％

を超え、スプレッドは６６０ｂｐまで拡大した。

　独連邦債１０年物利回りは１１ｂｐ上昇し２．６６２％。２年物

利回りは４ｂｐ上昇し０．９６７％。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　２５日　ロイター］