再送：欧州市場サマリー（26日）

＊この記事は２７日に配信しました。

　　　　　　　　　　　　　　 1820GMT 　　　 25日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.3234 　　　　1.3361

ドル／円 　　　　 83.990 83.570

ユーロ／円 111.19 111.62

　　　　　　　　　　　　　　26日終値 　　前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5668.70（‐30.23） 5698.93

　　クセトラＤＡＸ　　　　 6848.98（‐30.68） 6879.66

金　現物午後値決め 　1355.00　　　　　　1373.25　　　　　

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(12月限)　 98.940 (‐0.005)　　0.442(0.536)

独連邦債２年物 0.934(0.954)

独連邦債１０年物(12月限) 127.20 (‐0.09) 2.742(2.710)

独連邦債３０年物 　 3.257(3.230)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ユーロが対ドルで２カ月ぶり安値をつけた。アイルランドの債務危機がポル

トガルやスペインにも波及するとの懸念が強まっている。

　一方、欧州債務危機への懸念や朝鮮半島の緊張の高まりがドルへの逃避買いを支援した

もよう。ユーロ／ドルは週間ベースで３．５％安と、８月半ば以来の大幅な下げとなる見

通し。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反落。欧州債務問題をめぐる懸念が根強いなか、銀行株

や鉱山株が売られた。一方、医薬品やタバコなどディフェンシブ銘柄には買いが入り、相

場の下支えとなった。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は一時５６００ポイントを割り込む場面もみられた。

　銀行株が軟調で、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドが５．３％安。ア

イルランドの債務問題が周辺国に飛び火するのではとの懸念が根強い。こうしたなか欧州

委員会のバローゾ委員長は、ポルトガル向けの金融支援計画が準備されているとの報道を

全面的に否定した。

　金属価格の値下がりに伴い鉱山株もさえず。アントファガスタは３．８％安、

ベダンタ・リソーシズは３．２％下落。

　一方、通信のＢＴグループは逆行高となり４．４％上昇。インドの商用車メーカ

ー、マヒンドラ・アンド・マヒンドラが、傘下のＩＴ（情報技術）サービス会

社テック・マヒンドラ株式の最大５．５％を、ＢＴから取得することで合意し

たと発表した。

　欧州株式市場は反落。アイルランドに続きポルトガルが救済を要請するとの懸念が根強

く、とりわけ銀行株が圧迫された。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は６．１５ポイント（０．５６％）安

の１０８６．６５。週間ベースでは１．４％下落した。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は２８．０９ポイント（１．０２％）安

の２７３６．９６。

　ルランド・リサーチ（フランクフルト）のストラテジスト、ヘイノ・ルランド氏は「ポ

ルトガルをめぐる懸念がある。今週末に解決策が見つからない場合、問題になるだろう」

と述べた。

　ただ、ポルトガル議会がこの日、増税と歳出削減を盛り込んだ２０１１年予算案を可決

したことから同国への信頼が一部回復。一時大きく拡大していた１０年物のポルトガル国

債と独連邦債の利回り格差は、縮小に転じた。

　銀行株の下げが目立った。サンタンデール、ＢＮＰパリバ、ロイズ

・バンキング・グループが２．２─４．４％下落した。

　アイルランド支援の内容が２８日に発表される見込みとなるなか、市場では懸念が根強

く、アイルランド国債と独連邦債の利回り格差はユーロ導入以来の高水準となった。

　アイルランド北西部ドニゴール州で行われた下院補欠選挙では与党・共和党が敗北。予

算案をめぐる今後の行方が注目されている。

　ハーグリーブス・ランズダウン（ロンドン）のアナリスト、キース・ボーマン氏は

「（アイルランドの）政権交代の可能性が市場を神経質にしている」と述べた。

　鉱山株も軟調。ドル高を背景に金属相場が下落した。カザキミス、ベダンタ・

リソーシズ、リオ・ティントが２．１─３．２％下落した。

　個別銘柄では通信のＢＴグループが４．４％高。同社は、インドのＩＴ（情報技

術）サービス会社、テック・マヒンドラの株式５．５％を売却することを明ら

かにした。

　＜ユーロ圏債券＞　アイルランド国債と独連邦債利回り格差がユーロ導入以来の最高水

準に拡大。他の周辺国債の利回り格差も過去最高水準付近で推移した。債務危機の波及を

懸念する見方が強まった。

　ただ、ポルトガル議会が財政緊縮措置を盛り込んだ２０１１年予算を可決し、欧州中央

銀行（ＥＣＢ）が周辺国債の買い入れを行っているとの指摘も出るなか、アイルランド国

債を除いて、利回り格差は終盤にかけて若干縮小した。

　独連邦債先物はおおむね横ばいとなった。これまで債務危機懸念から独連邦債には逃避

買いが入っていたが、この日は今後救済コストをドイツが負担することになるとの懸念が

独連邦債を圧迫した。

　独連邦債先物は６ティック高の１２７．３５で清算した。

　アイリッシュ・タイムズ紙が２６日、国際通貨基金（ＩＭＦ）と欧州連合（ＥＵ）の当

局者が、アイルランドの銀行救済で、いかにして優先債（シニア債）保有者に救済コスト

の一部負担を余儀なくさせることができるかを検討していると報じたことを受け、同国を

めぐる懸念が一段と強まった。アイルランド国債と独連邦債の利回り格差は６９７ベーシ

スポイント（ｂｐ）に拡大した。

　１０年物ポルトガル国債と独連邦債の利回り格差は、ポルトガル議会の

予算可決を受けて、縮小に転じた。

　ポルトガルについては、フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）紙ドイツ版が、ポルトガル

政府が一部ユーロ圏諸国と欧州中央銀行（ＥＣＢ）から救済を要請するよう圧力を受けて

いると報じ、欧州当局者は報道内容の火消しに追われた。欧州委員会のバローゾ委員長は

「まったくの間違い」と報道を全面的に否定、ポルトガル支援は要請も提案もなされてい

ないと強調した。

　債務危機の波及懸念から、スペイン国債と独連邦債の利回り格差は、一

時過去最高水準となる２７４ｂｐまで拡大した後、縮小し２５３ｂｐとなった。

　市場のボラティリティを背景に、一部投資家がリスク回避を目的に、独連邦債について

期間が長めの債券から短めの債券に乗り換えたという。

　独連邦債２年物利回りが３．４ｂｐ低下し０．９３３％となる一方、同

１０年物利回りは前日比横ばいの２．６７７％となった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　２７日　ロイター］