欧州市場サマリー（30日）

　　　　　　　　　　　　　　 1433GMT 　　　29日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.2986 1.3118

ドル／円 　　　　 83.520 84.210

ユーロ／円 108.45 110.57

　　　　　　　　　　　　　　30日終値 　　前営業日終値

株　ＦＴ１００ 5528.27（‐22.68） 5550.95

　　クセトラＤＡＸ　　　　　6688.49（‐ 9.48） 6697.97

金　現物午後値決め 　1383.50　　　　　　 1357.00

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(12月限)　 98.950 (＋0.005)　　0.423(0.448)

独連邦債２年物 0.853(0.917)

独連邦債１０年物(12月限) 127.95 (＋0.88) 2.682(2.749)

独連邦債３０年物 　 3.150(3.254)

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　＜為替＞　ユーロが全面安。対ドルでは２カ月半ぶりの安値をつけている。ユーロ圏の

債務問題をめぐる根強い懸念を背景に、ユーロは下げ足を速めるとみられている。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は続落。値動きの荒い展開となった。鉱山株が買われた一

方、ユーロ圏の債務問題が投資家心理を圧迫し、石油・金融株に売りが出た。

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は２２．６８ポイント（０．４１％）安の

５５２８．２７。９月中旬以来の水準で引けた。月間ベースでは２．６％安と６月以来の

落ち込みとなった。

　欧州の債務問題をめぐる動向に左右されやすい銀行株に売りが出た。バークレイズ

は２．６％下落。スペインとポルトガル関連の資産へのエクスポージャーが懸念

され、一時１年ぶり安値をつけた。

　投資家のリスク許容度が低下し、ほかの金融株も軟調。スタンダード・ライフは

３．７％、シュローダーは２．１％値を下げた。

　堅調なドルを背景に原油価格が下落するなか、石油関連株も売りが優勢となった。

ＢＰとロイヤル・ダッチ・シェルがそれぞれ０．５％下落した。

　一方で鉱山株に買いが入った。供給ひっ迫に伴い銅価格が上昇したことが背景

にある。リオ・ティントとＢＨＰビリトンがいずれも０．９％上昇した。

　欧州株式市場は続落。アイルランドへの支援決定後も欧州での危機拡大懸念が高まって

いることを受け、銀行株が引き続き売り込まれた。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は２．０２ポイント（０．１９％）安

の１０６７．２２。月間ベースでは１．８％安と５月以来の大幅な下落となった。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は１８．９７ポイント（０．７１％）安

の２６５０．９９。アイルランドの債務危機を受けた３週間にわたる売りで８．７％下落

した。ギリシャの債務危機の際には、４、５月で２０％近く値を下げている。

　オーレルＢＧＣ（パリ）のテクニカルアナリスト、アレキサンドル・ルドロゴフ氏は「

（ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数は）上昇基調から外れ、現時点で安定化の兆しがない。

今後も軟化が続くだろう」とし、次の主要な支持線は８月につけた安値の２５６０と予想

した。

　ユーロ圏周辺国の株式相場も軟調。イタリアの株価指数ＭＩＢ<.FTMIB>が１．１％、ポ

ルトガルの株価指数ＰＳＩ２０<.PSI20>は１．３％、スペインのＩＢＥＸ株価指数<.IBEX>

も０．６％それぞれ下落した。

　トムソン・ロイター欧州周辺国指数<.TRXFLDPIPU>は１．６％安と、７月上旬以来の低

水準となった。

　グローパル・エクイティーズ（パリ）のクオンティテイティブ・セールス・トレーディ

ング部門を統括するデビッド・テボー氏は「ユーロ圏に対する不信感がある。ロングオン

リーの投資家の資金はドイツの工業株もしくは新興国株式に向かっている」とし、今回の

欧州株安で唯一評価できるのはユーロ安との見方を示した。　

　銀行株では、ソシエテ・ジェネラルが３．６％安。スペインのバンキンテル

が３．２％、ポルトガルのバンコ・エスピリト・サントが２．８％それ

ぞれ値を下げた。

　＜ユーロ圏債券＞　周辺国債券が軟調。アイルランド救済は、他のユーロ圏加盟国も支

援を必要とするとの懸念を払しょくするには至らず、スペイン・イタリア・ベルギー国債

と独連邦債の利回り格差はユーロ導入以来の最高水準に達した。

　ユーロ／ドルは９月以来初めて１．３０ドルを割り込んだ。

　ＢＮＰパリバの債券主任、シリル・ビュージット氏は「欧州債券市場は動揺しており、

自信に欠けている。国債への需要の減退がどの程度継続するかが問題だ。ポルトガルは依

然問題視されており、スペインに対し大きな疑問が漂うなか、周辺国債券は一段と圧迫さ

れることになるだろう」と述べた。

　スペイン国債１０年物利回りは１１営業日連続で上昇、１０ベーシスポイ

ント（ｂｐ）伸ばし５．５９４％。ロイターのデータによると、月間での上昇率は約２０

年ぶりの大きさとなる見通し。

　同スペイン国債と独連邦債の利回り格差は４３ｂｐ拡大し３１２ｂｐ。同国債の保証コ

ストも上昇した。

　ポルトガル国債１０年物利回りは一時７．３％を上回ったものの、その

後は約１２ｂｐ低下し７．１１４％となった。トレーダーによると、欧州中央銀行（ＥＣ

Ｂ）によるポルトガル国債買い入れが背景。

　独連邦債との利回り格差も４ｂｐ縮小し、４５０ｂｐとなった。

　ベルギー国債１０年物利回りは５営業日続伸し、約１年半ぶりの高水準

となった。独連邦債との利回り格差は１４９ｂｐとユーロ導入以来で最高。前出のビュー

ジット氏は、同国のアイルランドやスペイン、ポルトガル債券市場へのエクスポージャー

に対する投資家の懸念を反映していると指摘した。　

　イタリア国債１０年物利回りは一時５％に迫った。ロイターのデータに

よると、月間での上昇率は１９９４年９月以来の大きさになる見通し。

　独連邦債１０年物利回りは８ｂｐ低下し、２．６１６％。

　独連邦債先物の清算値は９５ティック高の１２８．０２。

　ポルトガルは１２月１日に短期証券（Ｔビル）、スペインは２日に３年債の入札をそれ

ぞれ実施する。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１日　ロイター］