欧州市場サマリー（9日）

　　　　　　　　　　 　 1343GMT 8日終盤

ユーロ／ドル 　　 1.3911 1.3903

ドル／円 　　 82.630 82.660

ユーロ／円 114.97 114.92

　　　　　　　　　　 　　9日終値 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 　　 5937.30（‐37.46）　5974.76

　　クセトラＤＡＸ　　　　　7131.80（‐32.95）　7164.75

金　現物午後値決め 　1431.00　　　　　 1426.25　　　　　　

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(６月限)　 98.430 (＋0.010)　　0.614(0.628)

独連邦債２年物 1.745(1.754)

独連邦債１０年物(６月限) 121.67 (＋0.17) 3.290(3.304)

独連邦債３０年物 　 3.723(3.759)

------------------------------------------------------------------------------

　＜為替＞　ユーロが対ドルで上昇。ポルトガルの２年債入札が順調に消化されたことが

ユーロを支援した。ただ２年債の借り入れコストは、ユーロ導入以来の高水準に上昇した。

　市場は、これが利上げ観測を背景とする最近のユーロ高基調の再開を示しているかどう

かについては、慎重な見方を示している。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は反落。リビア情勢の緊迫化を背景に原油価格が上昇し、

商品（コモディティ）株や銀行株に売りが出た。　

　ＦＴ１００種総合株価指数<.FTSE>は３７．４６ポイント（０．６３％）安の

５９３７．３０。一時５９２２．６６の安値をつけた。

　リビアで政権側と反政府派との戦闘が激化していることや、石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）

代表筋が、増産を検討するために緊急会合を開催する必要はないとの認識を示したことか

ら、一時増産観測で下落していた北海ブレント原油先物が再び１１５ドル台に上

昇した。

　石油関連株の下げが目立ち、ＢＰは１．８％安。原油価格高で世界経済の回復が

阻害されるとの懸念から、投資家のリスク選好が低下した。

　タロー・オイルも３．２％値下りした。通年の税引き前利益が大きく伸びたも

のの市場予想に届かなかったことや、ウガンダでの主要プロジェクトに関する説明が詳細

を欠いたことが嫌気された。

　鉱山株も弱かった。原油価格高でインフレ圧力が高まり金属需要が後退するとの懸念か

ら銅価格が下落した。アントファガスタは２％安。

　逃避買いから金価格が上昇し、ランドゴールド・リソーシズは３．３％

上昇した。

　銀行株も軟調。ユーロ圏ソブリン危機への不安が再燃した。ロイヤル・バンク・オブ・

スコットランド（ＲＢＳ）は０．８％安。

　ＢＨＰビリトンなどが配当落ちで下落した。

　欧州株式市場は反落。リビア情勢の深刻化を受け原油価格が上昇し、経済成長をめ

ぐる懸念が強まった。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は不安定な展開のなか、２．６８ポイ

ント（０．２３％）安の１１４４．７５で終了。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は１０．３１ポイント（０．３５％）安

の２９３５．１１。

　鉱山株が安い。原材料需要をめぐる懸念から、主要ベースメタルの価格が下落したこと

に追随した。ＳＴＯＸＸ欧州６００資源株指数<.SXPP>は１．１％下落。

　リビアで政府と反体制派の衝突が拡大するなか、北海ブレントは２％超上昇し

、１１５ドルを超えて推移した。石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）の代表団は、供給懸念を和

らげるために緊急会合を開くことは必要でないとの見方を示した。

　欧州周辺国の債務問題をめぐる懸念が再燃するなか、銀行株も売られ、欧州銀行株指数

<.SX7P>は０．６％下落した。

　半面、スペインのイベルドローラ・レノバブレスは１１％急上昇。親会社イベ

ルドローラが再生可能エネルギー部門の少数株主から株式を購入することを計画している

とのニュースが好感された。　　

　＜ユーロ圏債券＞　周辺国債と独連邦債の利回り格差が縮小。ポルトガルが堅調に国債

入札をこなしたことが支えとなった。

しかし、月末に欧州連合（ＥＵ）首脳会議を控えるなか、債務懸念は依然根強く、利回り

格差は高水準にとどまっている。

　ポルトガル国債１０年物利回りは、２年債入札の結果を受け、ユーロ導

入以来の高水準から低下。入札は平均落札利回りが前回入札から上昇したものの、予定額

の１０億ユーロすべてが発行された。しかし、ポルトガルの支援要請は不可避との懸念は

引き続き根強い。

　市場では１１日のユーロ圏首脳会議の行方が注目されている。ただ、同会議は２４─

２５日にブリュッセルで予定されるＥＵ２７カ国による首脳会議で「包括的（危機）対応

策」の合意に至るための土台づくりにとどまると見られており、アナリストは、１１日の

首脳会議を受けた市場の反応は一時的なものにとどまる可能性が大きいと予想している。

　１０年物のポルトガル国債と独連邦債の利回り格差は４４１ベーシスポイント（ｂｐ）。

一時つけていた４５０ｂｐから縮小したものの、前日からは３ｂｐ拡大した。

　イタリア、スペイン国債と独連邦債との利回り格差もそれぞれ約５ｂｐ拡大した。

　欧州中央銀行（ＥＣＢ）がこの日、周辺国債の価格を問い合わせていたとのうわさがあ

ったものの、実際の買い入れは見られなかったとトレーダーは指摘した。

　ムーディズが７日にギリシャの信用格付けを３段階引き下げた後、周辺国債をめぐる地

合いは再び悪化している。また、市場では、欧州が打ち出す危機対策が説得力に欠く内容

になるとの見方が次第に織り込まれている。

　ギリシャ国債はアンダーパフォームし、１０年債利回りは１２．９９０％に上昇。今週

に入り約７０ｂｐ上昇している。

　独連邦債先物は５ティック高の１２１．５５。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［東京　１０日　ロイター］