アジア市場は、前場の取引で下落した。
香港では道路や港湾を横断するトンネルを封鎖し、さらに公共交通機関の運行を妨害するなど、香港の広範なストライキの影響が懸念されており、8月5日のハンセン指数は正午までに2.9%下落している。
香港のキャリー・ラム香港特別行政区行政長官は月曜日の朝、他の8人の高官とともに記者会見を行い、最近のデモは香港を「非常に危険な状況」にしたと述べたものの、自身を含む高官は「状況を見守る責任があります」と主張し、辞任を拒否した。
この記者会見は、週末に同市の複数の地区で警察とデモ隊の間で激しいにらみ合いが起こり、催涙ガスや逮捕者が出た後に行われている。
サウスチャイナ・モーニング・ポストとのインタビューで、20歳の匿名の大学生は「彼女は建物などの被害を非難し、人々に対して過剰な行動をとっている警察については気にしていない。また彼女は5つの要求のうち1つにも応じていません」と述べた。
「5つの要求」には、今回の騒動の引き金となっており非常に議論を呼んでいる身柄引き渡し法案の完全な撤回、デモの扱いに関する警察の行動への調査、そして、逮捕された抗議者全員の釈放が含まれている。「彼女が話す内容は、皆を更に激怒させている」 とその学生は付け加えている。なお同市の緊張は、6月初めに約100万人の市民が、廃止されていた犯罪人引き渡し法に反対して市内の通りを行進した事がきっかけとなり高まり始めた。IHSマークイットによると、香港の7月の製造業購買担当者景気指数は、生産量と新規受注量がともに減少したため、前月の47.9から43.8へと、2009年3月以来の低水準に落ち込んでいる。
中国の上海総合指数と深セン総合指数は、それぞれ0.8%と0.4%下落している。米紙ウォールストリートジャーナルは、米国のトランプ大統領が先週、中国産製品の関税を大幅に引き上げるよう指示した際、ライトハイザー通商代表など担当していた貿易交渉チームは反対したが、トランプ大統領が押し切ったと報道している。
日本の日経平均株価指数は2.3%下落、韓国の総合株価指数(コスピ)も2%下落している。オーストラリアのASX200は1.4%安。