[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米国で8月16─18日に開催予定だった、伝説的な音楽イベント「ウッドストック・フェスティバル」の50周年記念コンサートが中止となったことについて、主催者でプロデューサーのマイケル・ラング氏(74)は9日、「ひどくがっかりした」と述べた。
50年前のフェスでもプロデューサーの1人だったラング氏は、来場者に地球温暖化への行動を起こすよう呼び掛ける機会を失ったと、失望を表明。この新しいイベントで、1960年代後半のアクティビズム(積極行動主義)が再現されることを期待していたという。
同氏はロイターテレビに対し、「アクティビズムと地球温暖化防止策への取り組みを、人々に呼び掛けようとしたのが(開催の)理由だった。温暖化は、これまで生きてきた中で人類にとっておそらく最大の脅威だと思う」と述べた。
記念コンサートを巡っては、開催候補地だったニューヨーク州の会場2カ所が確保できなかったほか、資金面での問題が発生した。ジェイ・Zやマイリー・サイラスを含むアーティストも出演を辞退したことから、中止は広く予想されていた。チケットは発売されていなかった。
現在74歳のラング氏は69年のフェスについて、会場の変更が遅れたことや、約45万人が集まったことで物流上の大きな問題にも直面したことを回想。「我々は、地球上でより良い生活を送るための夢を失いつつあった。私にとっては、仲間たちを日常の単調な仕事や街から脱出させ、自然へと連れ出せるかどうかを試すための、土壇場の抵抗のようなものだった」と振り返った。