[ロンドン 10日 ロイター] - 英ロンドンで10日、カナダ出身の作家マーガレット・アトウッドの新作「The Testaments」の発売記念イベントが行われ、ファンが集まった。同作は1985年のディストピア小説「侍女の物語」の続編。
ベストセラーとなった「侍女の物語」は近未来の国家ギレアドを舞台とし、女性が読み書きを禁じられ、子供を産むため侍女として仕えることを強要されるという内容。2017年に「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」のタイトルでテレビドラマ化され、多くの賞を獲得した。
アトウッドはBBCのインタビューで「何年もの間、(『侍女の物語』の)続編はないのか、続きを教えてと言われてきたけれど、それはできないとずっと答えてきた」とコメント。「しかしそれからいくつかのことが起こった。世界はギリアドの社会から遠ざかっていくと思っていたが、実際には米国を含めて多くの国がギリアドに戻りつつある」と述べた。
米国では中絶を制限する動きが最近見られ、社会で大きな分裂を生み、また女性の権利を求める運動が活発化している。赤いマントと白い帽子という侍女の服装は、女性による抗議活動のシンボルとなっている。
アトウッドは、ドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利した時には既に続編の構想があったと述べた。「トランプ氏を支持する人たちが存在し、物語は実際には起きないファンタジーとなる代わりに、現実にとても近づいた」と語った。