Trevor Hunnicutt Nandita Bose Andrea Shalal
[ワシントン 24日 ロイター] - 米大統領選に向けた共和党候補指名争いは第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選もトランプ前大統領が勝利し、本選で民主党のバイデン現大統領と再び相まみえることがほぼ確実になった。
世論調査で支持率が拮抗する中、バイデン陣営は2020年のように再びトランプ氏を打ち負かすため、同氏が米国の民主主義に深刻な脅威をもたらし、人工中絶やその他の個人の自由が危機に瀕していると訴え、無党派層を獲得しようとしている。
81歳と高齢のバイデン氏が2期目出馬という決断を下した大きな理由はトランプ氏(77)との対決を確信したからであり、先月の資金集めイベントでは「トランプが出馬していなかったら私が出馬していたかどうか分からない」と語っている。
バイデン陣営のジュリー・チャベス・ロドリゲス選挙対策本部長は24日、「ニューハンプシャーの結果はトランプが共和党の指名をほぼ固め、選挙を否定する反自由の『MAGA(米国を再び偉大に)』運動が共和党の乗っ取りを完了したことを裏付けた」と記者団に述べた。
出口調査によれば、共和党の有権者の多くはトランプ氏の一連の刑事訴追を気にしておらず、バイデン氏が20年の選挙で公正に勝利していないという事実無根の主張を信じている。
そのため、バイデン陣営の多くはトランプ支持者を取り込もうと努力する必要はほとんどないと確信。同陣営関係者は、ほとんどの国民はトランプ氏が好きか嫌いかのどちらかだと述べ、バイデン氏にも同じことが言えると指摘し、どれだけ票を掘り起こせるかが焦点と考えている。
トランプ氏はこれまで、バイデン氏と民主党は「恐怖を利用している」と非難。今月にはバイデン大統領の仕事ぶりを「弱さ、無能、腐敗、失敗の連続」だったとこき下ろした。
トランプ陣営にもコメントを求めたが、回答を得られなかった。
本選でバイデン氏対トランプ氏が実現すれば史上7回目の再戦となるが、共和党のドワイト・アイゼンハワー大統領が1956年の選挙で民主党のアドレイ・スティーブンソン氏と2回連続で対決して以来となる。
<若年層や黒人有権者にハリス氏対応>
バイデン氏とハリス副大統領は今後数週間、選挙を左右する可能性の高い主要州を訪問する。陣営は現在、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンなど、激戦州と目される7州それぞれにスタッフを配置している。
バイデン氏は主に経済問題に焦点を当て、トランプ氏が民主主義にもたらす脅威について演説する。こうした脅威は資金集めにも生かされている。
ハリス氏は22日、ウィスコンシン州で遊説を開始し、共和党の中絶反対策に焦点を当てた。米国初の黒人副大統領である同氏は、バイデン氏が支持率を落としている若年層や黒人有権者への対応も担っている。