Daria Sito-Sucic
[ベオグラード 8日 ロイター] - 欧州歴訪中の中国の習近平国家主席は8日、セルビアを訪問しブチッチ大統領と会談した。今回の訪問は、親ロシアで中国からの多額の投資受け入れ国でもある東欧諸国との関係強化を図る取り組みの一環。
両首脳は、法制面や経済面での協力を促進する29の協定に署名した。ブチッチ大統領は「われわれは今日、歴史を刻んでいる」と表明した。同大統領によると、2020年以降、中国はセルビアに対する最大の投資国であり、過去10年間で投資額は30倍に増加した。今回の通商協定により、今後5─10年間、セルビア製品の95%が中国に関税なしで輸出される保証がなされたという。
セルビアは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の参加国で、欧州ではハンガリーとともに同構想を最も強く支持している。
また両首脳は、互いの主権と領土保全を支持するとも明言した。これは、2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボについて、独立は認めないとするセルビアの立場を中国が支持する考えを示すと同時に、セルビアが台湾を中国の一部とみなしていることを意味する。
習主席の訪問は、1999年に北大西洋条約機構(NATO)が旧ユーゴスラビアに対する軍事作戦の最中、ベオグラードの中国大使館を誤爆した日から25年目に当たる日に行われた。
習主席はこの後、ハンガリーへ向かう予定。