[北京 16日 ロイター] - 4月の中国の不動産販売は金額ベースで前年比46.6%減となり、2006年8月以来の大幅な減少を記録した。新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)が響いた。
3月は26.17%減だった。中国国家統計局が16日発表した統計を基にロイターが算出した。
1─4月の不動産販売は、金額ベースで前年比29.5%減。1─3月は22.7%減だった。
中国では今年に入り、80都市以上で補助金、住宅ローン金利・頭金の引き下げといった需要喚起策が導入されたが、上海市など多くの都市では新型コロナの行動制限が長期化しており、見通しは依然芳しくない。
中国政府は15日、初めての住宅購入者向けローン金利を一段と下げることを認める指針を発表したが、野村はリポートで「支援要因にはなるが、効果は非常に限られる可能性がある。厳格な新型コロナ感染防止対策は今後も続きそうだ」と指摘した。
また、先行き不透明感や信頼感の欠如、失業率上昇、所得の伸び鈍化などが新築住宅販売の低迷につながっているとの見方を示した。
4月の不動産投資は前年比10.1%減と、昨年12月以来の大幅な減少。3月は2.4%減だった。
4月の新築着工(床面積ベース)は前年比44.19%減。20年1─2月以来の大幅な減少を記録した。
国家統計局によると1─4月の不動産投資は、前年同期比2.7%減少した。1─3月の0.7%増から減少に転じた。
1─4月の不動産販売(床面積ベース)は前年比20.9%減。1─3月の13.8%減よりも大幅な落ち込みとなった。
1─4月の新築着工(床面積ベース)は前年比26.3%減。1─3月は17.5%減だった。
国内の不動産開発会社が調達した資金は23.6%減。1─3月は19.6%減だった。
シティはリポートで「販売回復が流動性の鍵になる。それがなければ政策の効果は低減する」とし、「回復を加速させるためには、需要が恒久的に失われる前により『実質的』な措置が必要だ」と指摘した。