[21日 ロイター] - 英石油大手シェルが、ロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」の権益27.5%の売却に向け、中国企業3社と協議していると、英紙テレグラフが21日に報じた。
中国海洋石油(CNOOC)、中国石油天然ガス集団(CNPC)、中国石油化工(シノペック)と合同で交渉しており、このうちの1社、2社あるいは3社全てに売却する案が話し合われている。
また、シェルは中国以外の買い手候補への売却にも前向きという。
シノペックの広報担当者は協議について認識していないとし、これ以上のコメントを控えた。
シェルは報道に関するコメントを控えた。CNOOCとCNPCは現時点でコメント要請に応じていない。
CNPCのガス事業に詳しい関係者によると、中国国営エネルギー会社は、ロシアの問題に関して慎重に対応するよう当局から指示され、それに従っているという。
同関係者は「中国企業とロシア間のコミュニケーションは現時点では貿易と新規事業の開発にのみ焦点を当てている」とし、西側の企業が撤退したプロジェクトの引き受けは議題になっていないと述べた。
CNPCの別の関係者も、中国企業がシェルの権益を取得する可能性は低いと語った。
サハリン2はロシアのエネルギー大手ガスプロムが権益の約50%を保有しているほか、三井物産や三菱商事も出資している。
ウクライナ侵攻を受けてロシアへの制裁が強化される中、シェルは2月にサハリン2を含むロシアの全事業から撤退すると発表した。