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エムアップ Research Memo(5):2017年3月期は減収ながら大幅増益。ファンメールサービスは順調に拡大

発行済 2017-09-20 15:16
更新済 2017-09-20 15:33
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■業績動向

1. 2017年3月期決算の概要
エムアップ (T:3661)の2017年3月期の業績は、売上高が前期比0.7%減の3,711百万円、営業利益が同7.3%増の426百万円、経常利益が同26.0%増の467百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.2%増の310百万円と減収ながら大幅な増益を実現した。
一方、期初予想に対しては、売上高が超過したものの、利益面では若干未達となった。


売上高は、携帯コンテンツ配信事業において、既存サイトの一部で会員数の減少が見られたことや、新規ファンクラブサイトの開設が想定を下回ったことが減収を招いた。
ただし、売上高が計画を上回る結果となったのは、eコマース事業において、一部アーティスト需要の高まり(一過性要因)により、関連する音楽映像商品の販売が好調であったことが理由である。
一方、PCコンテンツ配信事業は、スマートフォンの普及等により縮小傾向が続いているものの想定の範囲内である。


利益面では、eコマース事業の構成比(セールスミックス)の高まりが原価率を押し上げたものの、販管費の大幅な削減により営業増益を実現し、営業利益率も11.5%(2016年3月期は10.6%)に改善した。
販管費の削減は、2016年3月期における一過性要因の解消※による影響のほか、広告宣伝費の圧縮(コスト効果による見直し)や子会社を含めたオフィス集約などが寄与した。


※商品在庫一掃に伴う商品評価減及び本社移転、倉庫移管等に伴う一時的な費用など


財務面では、「現金及び預金」の増加等により総資産が前期末比14.4%増の3,069百万円に拡大した一方、自己資本も内部留保により前期末比12.3%増の2,193百万円に積み増したことから、自己資本比率は71.5%(前期末は72.8%)と高い水準を維持するとともに、無借金経営を続けている。
一方、資本効率を示すROEも15.0%(前期は12.0%)に改善しており、同社の財務内容は優良と言える。


事業別の業績は以下のとおりである。


(1)携帯コンテンツ配信事業は、売上高が前期比7.6%減の2,976百万円、セグメント利益が同6.7%減の771百万円と減収減益となった。
引き続きアーティストや声優、タレントの獲得と新規ファンメール配信サイトの開設を進めるとともに、他社が運営するサイトの同社移管にも取り組んだ。
また、「スゴ得コンテンツ」等、各キャリアが運営するスマートフォン向け月額使い放題サービスについては、コンテンツ提供だけでなく、キャリアとの共同での人気キャラクターを使用したキャンペーンやリアル連動イベントなどを展開してきた。
ただし、収益源であるファンクラブサイト事業において、既存サイトの一部で会員数の減少が見られたことや、新規開設が想定を下回ったことが業績の伸び悩みを招いた原因である。
特に、ある程度の新陳代謝(入れ替え)は必然であることから、既存の落ち込みを新規でカバーできなかったところが問題の本質と言える。
同社は、後述のとおり、組織変更による体制の強化や子会社及び協業会社との連携等により、新規サイトの獲得に向けて巻き返しを図る方針である。


(2)PCコンテンツ配信事業は、売上高が前期比13.2%減の167百万円、セグメント利益が同95.4%減の0.7百万円と減収減益となった。
スマートフォンの普及等に伴って縮小傾向が続いているものの想定の範囲内である。


(3)eコマース事業は、売上高が前期比40.8%増の435百万円、セグメント利益が58百万円(2016年3月期は93百万円の損失)と増収及び黒字転換となった。
買取販売から委託販売への切り替え(在庫リスクの低減)を進めていることから、期初予想では減収を見込んでいたが、一部アーティストの需要の高まり(一過性要因)が見られたことにより、関連する音楽映像商品の販売(レコード会社の公式販売サイト)が好調であったことから想定を上回る結果となった。
また、損益面でも、商品在庫一掃に伴う商品評価減により一時的な損失を計上した前期からの黒字転換を実現した。


(4)新たに設立した子会社等による「その他」は、売上高が132百万円、セグメント損失が31百万円となった。
2016年3月期においては、韓国アーティストの来日イベントの主催などにより、(株)THE STAR JAPANの業績貢献が大きかった。
また、立ち上がりの費用などにより子会社全体では損失を計上したが、足元では各子会社ともに単月黒字の状況となってきているようだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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