■今後の見通し
2. 新サービスの概要
スカラ (T:4845)が新たに開発、提供する新サービスとしては、「i-livechat」(Webチャットシステム)や「i-assist」(バーチャルアシスタンス)のほか、ソーシャルギフトサービスやドライブレコーダーを活用した新たな個人向けテレマティクスサービスの開発・運用等が挙げられる。
(1) i-livechat
「i-livechat」はユーザーの疑問や悩みに対して、カスタマーサポートセンター等のオペレーターがリアルタイムでチャット形式により問題解決に導くことができるサービスとなる。
「i-search」や「i-ask」との連動により、チャット対応画面でユーザーのコンテンツ内容をオペレーターが確認しながら対応することも可能となっている。
既に2017年2月より大手カード会社への導入が決まるなど、引き合いは旺盛で今後の契約件数増加が期待されている。
主にコールセンターへの導入を想定しており、最低月額利用料金としては15~20万円を想定している。
Webチャットシステムとしては、既に米Zendeskの「Zopim Chat」が世界で4万社以上に導入(日本では2012年より提供開始)されているほか、国内では(株)チャモの「Chamo(チャモ)」が2,500社以上に導入されており、同社は後発となるが「i-search」や「i-ask」等の他のサービスとの連動が可能であるほか、より利便性の高い機能の拡充を進めていくことで、シェアを拡大していく戦略だ。
(2) i-assist
「i-assist」は独自開発した言語処理エンジンを利用して、ユーザーからのテキストベースの問い合わせ内容を理解し、テキストベースで自動応答する顧客サポートサービスとなる。
主な機能としては、ユーザーが現在閲覧しているページを判定し、関連するページへの誘導をガイドするサイトコンシェルジュ機能、顧客企業のWebコンテンツを解析し、アシスタントが対応可能な単語を自動収集するほか、対応可能な語彙を辞書機能によって拡張できる機能を持つ。
導入企業にとっては、ユーザーからの問い合わせに対してシステムが自動で対応するため、コールセンターやWeb担当者のコスト削減につながるだけでなく、問い合わせに対して迅速に回答できるため、顧客満足度の向上に寄与するサービスとなる。
同様のサービスは日本オラクル (T:4716)を始め複数社が提供しているが、利便性の高いサービスを求める声が強く、こうした要望を取り入れた使い勝手の良いサービスの開発を進めている。
引き合いは現時点でも「i-ask」の導入ユーザーを中心に数十社からきているようで、月額利用料15~20万円とすれば年間で数千万円の売上が期待できることになる。
同社では2017年内に開発を完了し、2018年初からのサービス開始を目指している。
(3) ソーシャルギフトサービス
同社は今後の成長戦略の1つとして、BtoC領域におけるサービス展開を進めていくことを掲げている。
こうしたなかで、2018年6月期は新たにソーシャルギフトサービスを開始している。
ソーシャルギフトとは、SNSを活用して相手に贈り物を送ることができるサービスの総称である。
個人間で利用されているほか、企業が販促施策の一環として利用するケースもここ数年で急速に増加している。
同社においては、保険会社2社から引き合いがきており、サービスの提供を開始する(1社は8月、1社は10月予定)保険業界では保険契約の際にインセンティブとして、QUOカード等の金券同等物を契約者に付与することが多かったが、規則改正により金券同等物の付与が禁止となり、その代わりとしてソーシャルギフトが利用されるようになった。
サービスのイメージとしては、ファーストフード店やコンビニエンスストア等で商品に交換可能なデジタルギフト(QRコード等のID付き電子メッセージ)を、企業が個人にSMSまたは電子メールで送り、受け取った個人がそれを持って店舗で利用する格好となる。
同社の売上収益は、発行するID件数に基づく従量課金となっているため、発行ID数が増えれば増えるほど同社の売上収益も増加することになる。
仕組みそのものは簡単なため競合も多い。
このため、いかに顧客基盤や取扱商材を多く持つ顧客企業を獲得できるかが、収益を拡大していくうえでのポイントとなる。
2018年6月期の売上収益としては20百万円を目標としている。
(4) テレマティクスサービス
同社は2015年以降、損害保険ジャパン日本興亜向けにドライブレコーダーを活用した安全運転支援サービス「スマイリングロード」や「ポータブルスマイリングロード」に関連するWebシステムの開発・運用を行ってきたが、2017年秋から「DRIVING!〜クルマのある暮らし〜」の開発・サービス利用売上が加わる見通しとなっている。
同サービスもドライブレコーダーから収集したビッグデータを分析し、個人の安全運転を支援するサービスとなっているが、特に高齢者の安全運転を支援する機能を取り入れていることが特徴となっている。
同システムの納入によって損害保険ジャパン日本興亜向けの一時的な売上収益は前期から1億円弱増加し、2016年6月期並みの水準に回復する見込みとなっている。
同社ではこれらの案件を開発し、IoT・ビッグデータ処理に関連する開発・運用ノウハウを蓄積できたことから、同様のサービス・ソリューションを横展開していくことを目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
2. 新サービスの概要
スカラ (T:4845)が新たに開発、提供する新サービスとしては、「i-livechat」(Webチャットシステム)や「i-assist」(バーチャルアシスタンス)のほか、ソーシャルギフトサービスやドライブレコーダーを活用した新たな個人向けテレマティクスサービスの開発・運用等が挙げられる。
(1) i-livechat
「i-livechat」はユーザーの疑問や悩みに対して、カスタマーサポートセンター等のオペレーターがリアルタイムでチャット形式により問題解決に導くことができるサービスとなる。
「i-search」や「i-ask」との連動により、チャット対応画面でユーザーのコンテンツ内容をオペレーターが確認しながら対応することも可能となっている。
既に2017年2月より大手カード会社への導入が決まるなど、引き合いは旺盛で今後の契約件数増加が期待されている。
主にコールセンターへの導入を想定しており、最低月額利用料金としては15~20万円を想定している。
Webチャットシステムとしては、既に米Zendeskの「Zopim Chat」が世界で4万社以上に導入(日本では2012年より提供開始)されているほか、国内では(株)チャモの「Chamo(チャモ)」が2,500社以上に導入されており、同社は後発となるが「i-search」や「i-ask」等の他のサービスとの連動が可能であるほか、より利便性の高い機能の拡充を進めていくことで、シェアを拡大していく戦略だ。
(2) i-assist
「i-assist」は独自開発した言語処理エンジンを利用して、ユーザーからのテキストベースの問い合わせ内容を理解し、テキストベースで自動応答する顧客サポートサービスとなる。
主な機能としては、ユーザーが現在閲覧しているページを判定し、関連するページへの誘導をガイドするサイトコンシェルジュ機能、顧客企業のWebコンテンツを解析し、アシスタントが対応可能な単語を自動収集するほか、対応可能な語彙を辞書機能によって拡張できる機能を持つ。
導入企業にとっては、ユーザーからの問い合わせに対してシステムが自動で対応するため、コールセンターやWeb担当者のコスト削減につながるだけでなく、問い合わせに対して迅速に回答できるため、顧客満足度の向上に寄与するサービスとなる。
同様のサービスは日本オラクル (T:4716)を始め複数社が提供しているが、利便性の高いサービスを求める声が強く、こうした要望を取り入れた使い勝手の良いサービスの開発を進めている。
引き合いは現時点でも「i-ask」の導入ユーザーを中心に数十社からきているようで、月額利用料15~20万円とすれば年間で数千万円の売上が期待できることになる。
同社では2017年内に開発を完了し、2018年初からのサービス開始を目指している。
(3) ソーシャルギフトサービス
同社は今後の成長戦略の1つとして、BtoC領域におけるサービス展開を進めていくことを掲げている。
こうしたなかで、2018年6月期は新たにソーシャルギフトサービスを開始している。
ソーシャルギフトとは、SNSを活用して相手に贈り物を送ることができるサービスの総称である。
個人間で利用されているほか、企業が販促施策の一環として利用するケースもここ数年で急速に増加している。
同社においては、保険会社2社から引き合いがきており、サービスの提供を開始する(1社は8月、1社は10月予定)保険業界では保険契約の際にインセンティブとして、QUOカード等の金券同等物を契約者に付与することが多かったが、規則改正により金券同等物の付与が禁止となり、その代わりとしてソーシャルギフトが利用されるようになった。
サービスのイメージとしては、ファーストフード店やコンビニエンスストア等で商品に交換可能なデジタルギフト(QRコード等のID付き電子メッセージ)を、企業が個人にSMSまたは電子メールで送り、受け取った個人がそれを持って店舗で利用する格好となる。
同社の売上収益は、発行するID件数に基づく従量課金となっているため、発行ID数が増えれば増えるほど同社の売上収益も増加することになる。
仕組みそのものは簡単なため競合も多い。
このため、いかに顧客基盤や取扱商材を多く持つ顧客企業を獲得できるかが、収益を拡大していくうえでのポイントとなる。
2018年6月期の売上収益としては20百万円を目標としている。
(4) テレマティクスサービス
同社は2015年以降、損害保険ジャパン日本興亜向けにドライブレコーダーを活用した安全運転支援サービス「スマイリングロード」や「ポータブルスマイリングロード」に関連するWebシステムの開発・運用を行ってきたが、2017年秋から「DRIVING!〜クルマのある暮らし〜」の開発・サービス利用売上が加わる見通しとなっている。
同サービスもドライブレコーダーから収集したビッグデータを分析し、個人の安全運転を支援するサービスとなっているが、特に高齢者の安全運転を支援する機能を取り入れていることが特徴となっている。
同システムの納入によって損害保険ジャパン日本興亜向けの一時的な売上収益は前期から1億円弱増加し、2016年6月期並みの水準に回復する見込みとなっている。
同社ではこれらの案件を開発し、IoT・ビッグデータ処理に関連する開発・運用ノウハウを蓄積できたことから、同様のサービス・ソリューションを横展開していくことを目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)