■要約
テリロジー (T:3356)は、IPネットワーク/セキュリティ領域で最先端ソリューションを提供するIT企業。
1. 会社概要と強み
同社はIPネットワーク/セキュリティ製品、モニタリングソリューション(ネットワーク上のトラフィックデータの収集・分析・可視化など)、クラウドサービス、などの販売及び保守を主たる事業とし、セキュリティ、モニタリング、認証の領域におけるスペシャリスト企業を標榜している。
同社の強みは、1)海外新興企業の最新技術を発掘し、代理店契約等に結びつける力、2)輸入技術と独自技術を組み合わせたソリューションの提供、3)アライアンスとM&Aを通じた新たな事業機会の獲得、などである。
2. 2020年3月期に売上高50億円と復配の実現を目指す
同社は、1)M&A・アライアンスによる事業拡大、2)最新技術を搭載する製品・サービスの提供、3)自社製品をコアとした他社製品とのバリューミックス、4)インバウンドビジネスへの挑戦と社会貢献への取り組み、といった事業戦略により、2020年3月期における売上高50億円と復配の実現を目指している。
3. アライアンスとM&Aを通じ、新たな事業機会を獲得
同社は2017年1月のシークエッジグループとのパートナーシップ促進に続き、2017年12月にはノジマ (T:7419)グループのITX(株)の法人向けICTサービス事業を買収した(対象事業を吸収分割により承継した会社の全株式を取得)。
これらを通じ、従来からの事業ドメインを基盤としながらも、顧客ネットワークと提供ソリューションの両面で新たな事業機会を獲得したようにみえ、今後の展開を見守りたい。
4. 2018年3月期決算と2019年3月期業績見通し
クラウドコンピューティング、ビッグデータの利用が加速し、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などの新技術に対する投資意欲が拡大するなど、IT業界を取り巻く経営環境は良好である。
こうしたなかで、同社の2018年3月期連結業績は、売上高が3,221百万円、営業利益が166百万円となり、2012年3月期以来、6期振りの実質上振れ着地であった。
売上高営業利益率は5.2%、ROEは20.2%、ROA(総資産経常利益率)は5.6%と、そのいずれもが、過去10年間(単体決算含む)で最も良好な数値となった。
同社は2019年3月期の連結業績予想について、引き続き良好な事業環境のもと、売上高が前期比17.9%増の3,800百万円、営業利益が同20.4%増の200百万円を見込んでいる。
一方、配当に関しては、採算重視のバランス経営のもとで収益獲得能力の強化と組織の強靭化を優先し、現時点では見送る方針である。
■Key Points
・商材開発、保守、販売の各機能でパートナリング戦略を展開。
とりわけ、海外新興企業の最新技術を発掘し、代理店販売に結び付けてきた実績は評価できる。
・これまでのアライアンス・M&A戦略により、顧客店ネットワークと提供ソリューションの両面で新たな事業機会を獲得。
今後は「ヒト、モノ、カネ」の強化を目指した次の一手が注目される。
・2018年3月期連結業績は6期振りに実質上振れ着地、売上高営業利益率は5.2%と2006年3月期(6.0%、単独決算)以来の水準にまで回復した。
2019年3月期も増収増益を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田 吉弘)
テリロジー (T:3356)は、IPネットワーク/セキュリティ領域で最先端ソリューションを提供するIT企業。
1. 会社概要と強み
同社はIPネットワーク/セキュリティ製品、モニタリングソリューション(ネットワーク上のトラフィックデータの収集・分析・可視化など)、クラウドサービス、などの販売及び保守を主たる事業とし、セキュリティ、モニタリング、認証の領域におけるスペシャリスト企業を標榜している。
同社の強みは、1)海外新興企業の最新技術を発掘し、代理店契約等に結びつける力、2)輸入技術と独自技術を組み合わせたソリューションの提供、3)アライアンスとM&Aを通じた新たな事業機会の獲得、などである。
2. 2020年3月期に売上高50億円と復配の実現を目指す
同社は、1)M&A・アライアンスによる事業拡大、2)最新技術を搭載する製品・サービスの提供、3)自社製品をコアとした他社製品とのバリューミックス、4)インバウンドビジネスへの挑戦と社会貢献への取り組み、といった事業戦略により、2020年3月期における売上高50億円と復配の実現を目指している。
3. アライアンスとM&Aを通じ、新たな事業機会を獲得
同社は2017年1月のシークエッジグループとのパートナーシップ促進に続き、2017年12月にはノジマ (T:7419)グループのITX(株)の法人向けICTサービス事業を買収した(対象事業を吸収分割により承継した会社の全株式を取得)。
これらを通じ、従来からの事業ドメインを基盤としながらも、顧客ネットワークと提供ソリューションの両面で新たな事業機会を獲得したようにみえ、今後の展開を見守りたい。
4. 2018年3月期決算と2019年3月期業績見通し
クラウドコンピューティング、ビッグデータの利用が加速し、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などの新技術に対する投資意欲が拡大するなど、IT業界を取り巻く経営環境は良好である。
こうしたなかで、同社の2018年3月期連結業績は、売上高が3,221百万円、営業利益が166百万円となり、2012年3月期以来、6期振りの実質上振れ着地であった。
売上高営業利益率は5.2%、ROEは20.2%、ROA(総資産経常利益率)は5.6%と、そのいずれもが、過去10年間(単体決算含む)で最も良好な数値となった。
同社は2019年3月期の連結業績予想について、引き続き良好な事業環境のもと、売上高が前期比17.9%増の3,800百万円、営業利益が同20.4%増の200百万円を見込んでいる。
一方、配当に関しては、採算重視のバランス経営のもとで収益獲得能力の強化と組織の強靭化を優先し、現時点では見送る方針である。
■Key Points
・商材開発、保守、販売の各機能でパートナリング戦略を展開。
とりわけ、海外新興企業の最新技術を発掘し、代理店販売に結び付けてきた実績は評価できる。
・これまでのアライアンス・M&A戦略により、顧客店ネットワークと提供ソリューションの両面で新たな事業機会を獲得。
今後は「ヒト、モノ、カネ」の強化を目指した次の一手が注目される。
・2018年3月期連結業績は6期振りに実質上振れ着地、売上高営業利益率は5.2%と2006年3月期(6.0%、単独決算)以来の水準にまで回復した。
2019年3月期も増収増益を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田 吉弘)