■要約
ヘリオス テクノ ホールディング (T:6927)は旧フェニックス電機(株)が経営統合や事業譲受などを経て、2009年に社名変更して誕生した。
会社分割によって現在は純粋持株会社となっており、傘下の事業会社において、ランプ事業、製造装置事業及び人材サービス事業の3つの事業を展開している。
1. 製造装置事業の急拡大が寄与して、前期及び期初予想比で大幅増益を達成
2018年3月期決算は、売上高23,483百万円(前期比37.2%増)、営業利益3,039百万円(同119.2%増)と大幅増収増益で着地した。
同社は第3四半期決算に際して通期見通しについて2度目の上方修正を行ったが、最終的にはそれを上回った。
同社は2017年3月期に高精細インクジェットプリンターの大型受注を獲得したが、その全量が2018年3月期に納入され、これが売上高と利益をけん引した。
2. 新製品開発が順調に進捗。
需要の変化に対応できる体制を整え、持続的成長を目指す
同社の3事業のうち、現在の収益の中核を形成し、且つ、今後の成長のけん引役と期待されるのが製造装置事業だ。
このセグメントでは、高精細インクジェットプリンターや配向膜製造装置、露光装置用光源ユニット(MLS)などがラインアップされているほか、中古プラントの輸出事業なども手掛けている。
同社の製造装置はFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置関連のものが多いが、FPDは最終需要先を家電からスマートフォンへと変えて成長を続けてきた。
今後は車載分野での成長が期待されている。
同社は新製品開発を進めて、そうした需要けん引役の変遷の波をうまく捉まえて成長を持続できる体制を整えている。
3. 2019年3月期は大型案件の反動で減益予想。
2020年3月期の反転に期待
2019年3月期について同社は、売上高24,600百万円(前期比4.8%増)、営業利益1,900百万円(同37.5%減)と、増収減益を予想している。
製造装置事業については、高精細インクジェットプリンターの売上減を他の製造装置や中古プラントでカバーし、売上高は前期比横ばいを予想している。
他の2事業は堅調に売上を伸ばす見通しで、全社ベースの売上高は4.8%増を予想されている。
利益については、製品ミクスの変化による利益率低下で、前期比減益となる見通しだ。
弊社では、2019年3月期の減益は一時的で2020年3月期には再び増益に転じるとみており、過度の懸念は不要だと考えている。
■Key Points
・2018年3月期はFPD製造装置が全般に好調に推移する中、HRPの大型案件が寄与
・HRPのバリエーション拡大、3D印刷技術、大型の配向膜製造装置など、新製品の開発が順調に進捗
・2020年3月期は、製造装置事業をけん引役に増益基調に転じるとみる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
ヘリオス テクノ ホールディング (T:6927)は旧フェニックス電機(株)が経営統合や事業譲受などを経て、2009年に社名変更して誕生した。
会社分割によって現在は純粋持株会社となっており、傘下の事業会社において、ランプ事業、製造装置事業及び人材サービス事業の3つの事業を展開している。
1. 製造装置事業の急拡大が寄与して、前期及び期初予想比で大幅増益を達成
2018年3月期決算は、売上高23,483百万円(前期比37.2%増)、営業利益3,039百万円(同119.2%増)と大幅増収増益で着地した。
同社は第3四半期決算に際して通期見通しについて2度目の上方修正を行ったが、最終的にはそれを上回った。
同社は2017年3月期に高精細インクジェットプリンターの大型受注を獲得したが、その全量が2018年3月期に納入され、これが売上高と利益をけん引した。
2. 新製品開発が順調に進捗。
需要の変化に対応できる体制を整え、持続的成長を目指す
同社の3事業のうち、現在の収益の中核を形成し、且つ、今後の成長のけん引役と期待されるのが製造装置事業だ。
このセグメントでは、高精細インクジェットプリンターや配向膜製造装置、露光装置用光源ユニット(MLS)などがラインアップされているほか、中古プラントの輸出事業なども手掛けている。
同社の製造装置はFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置関連のものが多いが、FPDは最終需要先を家電からスマートフォンへと変えて成長を続けてきた。
今後は車載分野での成長が期待されている。
同社は新製品開発を進めて、そうした需要けん引役の変遷の波をうまく捉まえて成長を持続できる体制を整えている。
3. 2019年3月期は大型案件の反動で減益予想。
2020年3月期の反転に期待
2019年3月期について同社は、売上高24,600百万円(前期比4.8%増)、営業利益1,900百万円(同37.5%減)と、増収減益を予想している。
製造装置事業については、高精細インクジェットプリンターの売上減を他の製造装置や中古プラントでカバーし、売上高は前期比横ばいを予想している。
他の2事業は堅調に売上を伸ばす見通しで、全社ベースの売上高は4.8%増を予想されている。
利益については、製品ミクスの変化による利益率低下で、前期比減益となる見通しだ。
弊社では、2019年3月期の減益は一時的で2020年3月期には再び増益に転じるとみており、過度の懸念は不要だと考えている。
■Key Points
・2018年3月期はFPD製造装置が全般に好調に推移する中、HRPの大型案件が寄与
・HRPのバリエーション拡大、3D印刷技術、大型の配向膜製造装置など、新製品の開発が順調に進捗
・2020年3月期は、製造装置事業をけん引役に増益基調に転じるとみる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)