■要約
1. セグメントと特長
プロパスト (T:3236)は、総合不動産ディベロッパーで、セグメントは、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業、その他の4つに分類される。
同社は、都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな強みと言えるだろう。
ほかのディベロッパーとは異なり、物件名はそれぞれのコンセプトをもとに名付けている。
競争の激しい首都圏のマンション市場をマーケットにしながら、同社では情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けてきた。
2. 2018年5月期は当初計画を大きく上回って着地
2018年5月期の売上高は16,905百万円(前期比13.7%増)、営業利益1,142百万円(同1.7%減)となった。
ただ、バリューアップ事業において各プロジェクトの売却が当初想定していたよりも前倒しで実施できたことや、賃貸開発事業の増収増益などによって、当初計画に比べ、売上高は9.1%、営業利益は32.1%上回った。
セグメント別では、分譲開発事業は売上高5,057百万円(前期比12.2%減)、セグメント利益297百万円(同69.3%減)、賃貸開発事業は売上高4,760百万円(同290.7%増)、セグメント利益996百万円(同215.3%増)、バリューアップ事業は売上高6,997百万円(同10.5%減)、セグメント利益772百万円(同7.9%減)となった。
賃貸開発事業の急成長により、3事業部門のバランスが良くなってきた。
事業拡大に伴う資産増加の結果、自己資本比率は14.7%と前期末の15.7%からやや低下したものの、2013年5月期末の9.5%から大幅に上昇し、同社の安全性は着実に改善していると言える。
3. 2019年5月期は慎重な業績予想
2019年5月期の業績予想は、売上高17,412百万円(前期比3.0%増)、営業利益1,125百万円(同1.5%減)である。
ただ、同社では期初は慎重な予想を立てていることから、最終的には予想を上回る可能性があろう。
配当については、2018年5月期と同じく1株当たり2.0円を維持している。
また、2018年5月期に続き、今期も自己株式の取得を実施している。
4. 2020年5月期以降も堅調な業績を維持する見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、新築マンションの1戸当たり平均価格は徐々に上昇傾向にあることで、マンション契約率は低下するなど、今後の事業環境は必ずしも楽観できない。
ただ、同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わることで、来期以降も堅調な業績を維持できると弊社では考える。
■Key Points
・総合不動産ディベロッパー。
分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業が3本柱。
激しい競争の首都圏マンション市場で、「仕入力」「企画力」「デザイン力」など、同社の強みを発揮して成長を続けてきた。
・2018年5月期業績は、売上高が前期比13.7%増の16,905百万円、営業利益が1.7%減の1,142百万円と増収減益決算となったが、期初の計画を大きく上回って着地した。
・2019年5月期の業績予想は、売上高が前期比3.0%増の17,412百万円、営業利益は同1.5%減の1,125百万円と減益を予想するが、かなり保守的な予想と言えるだろう。
1株当たり2.0円の配当を継続する。
・今後の事業環境は必ずしも楽観できないが、同社の強みである仕入力、企画力、デザイン力を生かすことで、来期以降も堅調な業績を確保できるとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
1. セグメントと特長
プロパスト (T:3236)は、総合不動産ディベロッパーで、セグメントは、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業、その他の4つに分類される。
同社は、都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな強みと言えるだろう。
ほかのディベロッパーとは異なり、物件名はそれぞれのコンセプトをもとに名付けている。
競争の激しい首都圏のマンション市場をマーケットにしながら、同社では情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けてきた。
2. 2018年5月期は当初計画を大きく上回って着地
2018年5月期の売上高は16,905百万円(前期比13.7%増)、営業利益1,142百万円(同1.7%減)となった。
ただ、バリューアップ事業において各プロジェクトの売却が当初想定していたよりも前倒しで実施できたことや、賃貸開発事業の増収増益などによって、当初計画に比べ、売上高は9.1%、営業利益は32.1%上回った。
セグメント別では、分譲開発事業は売上高5,057百万円(前期比12.2%減)、セグメント利益297百万円(同69.3%減)、賃貸開発事業は売上高4,760百万円(同290.7%増)、セグメント利益996百万円(同215.3%増)、バリューアップ事業は売上高6,997百万円(同10.5%減)、セグメント利益772百万円(同7.9%減)となった。
賃貸開発事業の急成長により、3事業部門のバランスが良くなってきた。
事業拡大に伴う資産増加の結果、自己資本比率は14.7%と前期末の15.7%からやや低下したものの、2013年5月期末の9.5%から大幅に上昇し、同社の安全性は着実に改善していると言える。
3. 2019年5月期は慎重な業績予想
2019年5月期の業績予想は、売上高17,412百万円(前期比3.0%増)、営業利益1,125百万円(同1.5%減)である。
ただ、同社では期初は慎重な予想を立てていることから、最終的には予想を上回る可能性があろう。
配当については、2018年5月期と同じく1株当たり2.0円を維持している。
また、2018年5月期に続き、今期も自己株式の取得を実施している。
4. 2020年5月期以降も堅調な業績を維持する見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、新築マンションの1戸当たり平均価格は徐々に上昇傾向にあることで、マンション契約率は低下するなど、今後の事業環境は必ずしも楽観できない。
ただ、同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わることで、来期以降も堅調な業績を維持できると弊社では考える。
■Key Points
・総合不動産ディベロッパー。
分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業が3本柱。
激しい競争の首都圏マンション市場で、「仕入力」「企画力」「デザイン力」など、同社の強みを発揮して成長を続けてきた。
・2018年5月期業績は、売上高が前期比13.7%増の16,905百万円、営業利益が1.7%減の1,142百万円と増収減益決算となったが、期初の計画を大きく上回って着地した。
・2019年5月期の業績予想は、売上高が前期比3.0%増の17,412百万円、営業利益は同1.5%減の1,125百万円と減益を予想するが、かなり保守的な予想と言えるだろう。
1株当たり2.0円の配当を継続する。
・今後の事業環境は必ずしも楽観できないが、同社の強みである仕入力、企画力、デザイン力を生かすことで、来期以降も堅調な業績を確保できるとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)