木曜日午前のアジア株式市場はまだら模様だ。アメリカが中国との新たな貿易交渉の開始を示唆し、これにより両国間の貿易戦争の段階的縮小につながるかもしれないとの期待が市場を支えている。
スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官率いる米国の関係者は、最近、中国の担当者をワシントンに招待している。
トランプ政権における経済評議会のラリー・クードロウ局長は「現在、我々は交渉を行っており、それ(交渉)は一歩先へ進んだと言えるだろう」と語った。
先週金曜日にはトランプ大統領が事実上すべての中国製品に関税を適用すると圧力をかけ、火曜日にも中国に対して厳しい姿勢を取ると述べていた。
トランプ政権は中国の対米国貿易黒字を減らし、さらに米国企業の知的財産権を中国から保護するよう圧力をかけようとしている。
アメリカは、今年7月以降中国製品500億ドル分(約5兆5300億円相当)に対し関税を課し、その結果、中国からの報復を引き起こした。
S&P 500は0.04%、ダウ・ジョーンズ工業平均は0.11%上昇し、好調な米国株式市場の後押しにつながった。
ただし、アメリカのハイテク株は依然として停滞している。アップル(NASDAQ: AAPL)が新しいiPhoneを発表したにもかかわらず、ハイテク株は1%安くなった。
部品メーカーはゴールドマン・サックス (NYSE: GS)とStifelが業界への懸念からいくつかの企業を格下げしたことで、
市場の楽観的ムードに水を差したため、 Nasdaq Compositeは0.23%下落と軟調な動きになっている。
中国の株式市場は高値で開始し、上海総合指数は午前10時44分時点で0.23%の上昇を見せているが、テクノロジー分野は上値が重く、 深セン総合指数は0.11%の上昇にとどまっている。
香港のハンセン指数は、弱気なトレンドに苦しんでいるものの1.33%の上昇を見せた。
日本の日経225は0.79%上昇し、韓国のコスピも0.13%上昇した。
一方、オーストラリアの S&P / ASX 200は0.52%下落した。なおオーストラリアは木曜日に雇用統計を発表する予定となっている。
他のニュースとしてはイングランド銀行と欧州中央銀行は木曜日の午後に政策決定を行う予定。