トランプ米大統領が貿易戦争への不安に拍車をかけ、米国の国債利回りが落ち込んで銀行株が暴落したため、株式市場は急落した。ダウ平均は3.10%安、 S&P 500は3.21%安、ナスダック指数は3.80%安だった。
トランプ大統領は火曜日にツイートし、中国との公正な貿易協定には“喜んで”署名するが、自分は“関税マン”だと称し、米中の貿易関係は依然として脆弱なことを再認識させた。
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が率いる米国の交渉担当者が、米中首脳が合意した90日の停戦中に合意を達成できるかについて投資家が疑問を持ったため、貿易に敏感な資本財セクターが暴落した。国際的な貿易問題に敏感なキャタピラー (NYSE:CAT) とボーイング (NYSE:BA)は、大きく値を下げた。
一方、米国債利回りの下落が銀行株に下押し圧力をかけ、金融株の株安が株式市場の大幅安を主導した。
短期債利回りが長期債利回りを上回る利回り曲線(イールドカーブ)の逆転が起き、これは一般的に景気後退の兆しと言われている。
ゴールドマン・サックス(NYSE: GS)は3.8%安、シティグループ(NYSE: C)は4.4%安となった。逆イールドは、銀行の受取利息と預金者に支払われる支払利息の差額である銀行の正味利息を減らし、銀行株への逆風になると見られる。
3年債と5年債、2年債と5年債の2つでイールドカーブは月曜日に逆転した。超短期債を除けば、これは金融危機以降初めてのことだ。アナリストらは、景気後退の可能性があると見られる2年債と10年債のイールドカーブの逆転が、これに追随すると予想している。金利差はすでに直近10年以上で最低にまで狭まっている。
コネチカット州グリニッジのJonesTradingのチーフ・マーケット・ストラテジストであるMichael O'Rourke氏は、「利上げは短期債利回りの上昇をもたらしたものの、緩やかなインフレと経済成長の鈍化予想は長期債利回りの低下をもたらした」と述べた。「それは利回り曲線の(完全な)逆転に近づいているというシグナルだが、それでもまだかなり距離がある。注意すべきことは何かを知っておくべきことだが、他にも事実がある」と述べた。
シーラス・ロジック(ナスダック: CRUS)が、売上高の見通しを調整して、iPhone販売が伸びていないという証拠を増やしたことで、テクノロジーセクターでは、アップル(NASDAQ: AAPL)が4.4%下落した。