週明け3日の中国本土市場は小幅に値下がり。
主要指標の上海総合指数は、前営業日比8.62ポイント(0.30%)安の2890.08ポイントと3日続落した。
上海A株指数も下落し、8.93ポイント(0.29%)安の3027.11ポイントで取引を終えている。
米中対立の激化が警戒される流れ。
中国政府は2日、米中通商交渉に関する報告書を公表し、「協議中断の全責任は米国側にある」と非難している。
これに先立つ5月31日、中国商務部は国内企業の権利を害する外国企業などを対象とした「信頼できない実体リスト」を作成する方針を明らかにした。
米中貿易問題を巡っては、中国政府は1日午前0時(現地時間)、米制裁関税に対する報復関税を予定通り発動。
トランプ米政権は次の一手として、約3000億米ドル(約33兆円)相当の中国製品に追加関税を課す構えだ。
ただ、下値は限定的。
証券トップの発言などを手がかりに、指数はプラス圏で推移する場面もみられている。
中国証券監督管理委員会の易会満主席は2日、国内の株式市場は歴史的な割安水準にあるとの見解を示した。
業種別では、非鉄・レアアースがさえない。
中国アルミ(601600/SH)が3.0%安、中国北方稀土(600111/SH)が2.3%安で引けた。
半導体株、医薬品株、インフラ関連株、不動産株、海運株なども売られている。
半面、時価総額上位の金融株はしっかり。
中国工商銀行(601398/SH)は1.6%上昇した。
上海市場の代表銘柄で構成される「上海50A株指数」は0.5%上昇し、他の指数をアウトパフォームしている。
このほか空運株、自動車株、食品・飲料株も買われた。
物流関連の銘柄群も高い。
受注増の思惑が強まるなか、中国外運(サイノトランス:601598/SH)は3.5%上昇している。
中国当局は1日、米物流大手フェデックス(FDX/NYSE)の調査に着手する方針を明らかにした。
中国顧客の利益を損ねた疑いがあるという。
総合物流の中国外運は、フェデックスのライバル、ドイツの国際輸送物流会社DHLと業務提携している。
第5世代(5G)移動通信サービスの関連銘柄も物色される。
通信機器メーカーの東方通信(600776/SH)が4.0%高と反発。
「中国の工業情報化部は5Gサービスの商用ライセンスを近く発給する見通し」などと報じられた。
一方、外貨建てB株は値下がり。
上海B株指数が4.15ポイント(1.44%)安の283.94ポイント、深センB株指数が8.08ポイント(0.86%)安の933.50ポイントで終了した。
【亜州IR】