前日の米国市場は米中貿易摩擦の不透明感に加えて、原油安の影響や利益確定売りによって主要3指数揃って下落した。昨日発表された消費者物価指数は低調に終わり、一時利下げ期待で上昇する時間帯もあったが、原油在庫量の上昇による原油安など景気不安が利下げによる株高期待を上回った形だ。
ダウ平均の日足はこれで3日連続の陰線引けであり、上値の重さが大きくなってきている。先週が週足で過去2番目という大きな上昇だったこともあり、その反動安は当然出てくるはずで、今後数日でどこまで調整するかが今後の焦点だ。とはいえ来週のFOMC、6月末のG20を控えており、そう簡単に売り崩せる状況でもない。G20で正式に米中貿易協議の結論が出るまでは(特段の材料が出ないなら)、上値は重いながらも下値も堅いという相場が続く可能性はあるだろう。
午前11時42分時点の日経平均は2万948円と2万1000円を割れている。米米10年債利回りは2.103%と低下し、ドル/円は108.25円と円高で推移している。
本日中国の劉副首相は上海の金融フォーラムで、中国には多くの政策手段があり様々な課題に対処できると述べ、「短期的に何が起きたとしても長期的に見れば経済は良好だ」と発言した。また、近い将来において改革を促進する強力な政策を実行すると付け加えた。上海総合株価指数は0.49%安となっている。ドル/人民元は0.04%高、ドル/ウォンは0.17%高だ。
後場の日経平均は引き続き上値が重いだろう。とはいえ日経225先物でみれば2万900円や2万870円、2万820円あたりは抵抗帯であり、本日はそのあたりで下げ止まる可能性がある。