前日の米国株式市場はFOMCの結果を好感して主要3指数が揃って続伸した。FOMCではフェデラルファンド金利を据え置いたものの経済見通しの不確実性の高まりや低いインフレ圧力を考慮し、「適切に行動する」とした。従来の「忍耐強く」が削除されたことは、金融政策の変更を意味し、利下げが示唆されたことになる。概ね事前予想に沿ったものとなり、株式市場はこれを好感した形だ。
その一方で利下げの示唆は米国債利回りの低下を招いている。午前10時54分時点での10年債利回りは1.980%となり、ドル/円は107.64円まで円高が進んでいる。FOMCで明かされたドットプロットでは17人のうち8人が年内の利下げを予想しており、これにより次回FOMCでの利下げが確実視されている。これを受けた米国政策金利モニターツールでは次回FOMCで0.25%、さらに次の9月FOMCで0.25%の利下げ、そして年内にさらに0.25%の利下げを予想している。本日は日銀の金融政策決定会合が開かれているが、政策金利は据え置くとしても、黒田総裁が何かしらのリップサービスをする可能性はある。日銀ができることは限られているとしても、世界各国中銀の金融緩和の方針を受けて特段のメッセージを発信しないとなると円高が一層進む可能性があるからだ。
日経平均は2万1432円と続伸しているが、円高を受けて上値が重くなってきている。75日移動平均線もあり、ここからの上値は重いだろう。日経225先物の日足をみるとここから上は上髭を残す抵抗ラインであり、1回で簡単に突破できないのではないか。円高が弱くなる材料が出れば別だが、本日後場での突破は難しいと思われ、2万1500円あたりが上値の目途と思われる。