■中期経営計画1. 中長期成長イメージギフト (T:9279)は「横浜家系ラーメンを世界への贈り物に!」を事業コンセプトに、1杯のラーメンに強い想いを込めて、世界中の人々に「E.A.K(家系)」を届けたいと考えている。
このため、長期的に国内1,000店、海外1,000店を目指し、出店を加速していく考えである。
海外においても米国を中心に直営店や海外プロデュース店で15店の展開を目指している。
直営店事業部門においては、ラーメンの嗜好性の多様化に対応すべく積極的に新業態を開発していく考えである。
一方で既存業態、とりわけ「横浜家系ラーメン」業態の進化を図るべく、麺、タレ、スープの絶え間ない開発によってより美味しい味の追求も進める考えだ。
麺の製造に関しては、横浜家系ラーメンの中太麺、九州釜焚きとんこつラーメンの極細麺を進化させるほか、新業態ラーメン店に提供する玉子麺や太麺、極太麺など新タイプの麺を開発する。
また、タレ、スープに関しては、随時実施している試食会を通じて味の進化を図っていく。
さらに、商品開発力が成長のカギとなるロードサイド店では、投入する季節限定メニューや唐揚げ、餃子といったサイドメニューの開発も進めており、多様化する食のニーズに対応する仕組みを構築していく考えである。
海外直営店事業では、米国を中心に事業拡大を図る方針である。
米国では、SNSなど積極的なプロモーションによって「E.A.K.RAMEN」の認知度を高める一方、地域の嗜好に合わせて味の見直しや開発を進め、採算性の早期改善を図り、出店加速につなげる計画である。
プロデュース事業部門では、直営店事業部門で培ったノウハウを生かし、店舗開発や店舗設計、メニュー開発などに至るまで支援することで繁盛店作りを支援し、結果として同社のPB商品の継続的取引を拡大する方針である。
海外においては、直営店事業部門が軸足を置く北米以外、ヨーロッパやアジアで積極的に出店支援をしていく考えである。
尻上がりに拡大する中期成長をイメージ2. 中期成長イメージ同社が想定する中長期イメージの中で、関東での出店は順調である。
関東以外の出店も、関西、中部エリアで出店強化を開始している。
新業態は「豚山」が期待される。
海外はニューヨーク2号店が2019年7月17日にオープンした。
全般的に順調に進捗していると言うことができるだろう。
これに足元の状況や進捗を加えて考察する。
国内直営店事業では、「横浜家系ラーメン」直営店の首都圏以外の都市部への出店を開始した。
プロデュース店については、地方エリアでのメガフランチャイズ企業との連携を開始した。
首都圏以外の都市部や地方エリアにはまだ出店余地が広がっていることから、人材育成と資金次第では出店を加速することができそうだ。
人材育成については、従業員満足度を高める人事政策を取っていることから、簡単にボトルネックを起こすことはないと思われる。
資金面では、今後ますますスケールメリットが得られると予想されることから、これも問題なさそうだ。
プロデュース店オーナーの出店意欲も、同社業態の高収益性が認知されつつあることから、大きくなることはあっても萎むことはないと考える。
新業態は「豚山」が好調で、出店加速しつつ業態として確立が進めば、中期的に第2、第3の「豚山」が登場する可能性は小さくないだろう。
海外については、長期1,000店でなく中期15店であれば目標の難易度が下がるが、いずれにしろ収益寄与の判断が難しい。
こうした状況を考慮し、中期的な商品開発力や販促スキルの進化を勘案すると、既存店売上高は、現状の高成長維持は難しいだろうが横ばい程度は期待したい。
直営店の出店は、人材強化とともに少しずつ増えることが見込まれる。
店舗数や売上高が拡大することでスケールメリットが得られやすくなると考える。
しかも、直営店の出店ペースがプロデュース店より速そうなため、相対的に粗利益率の高い直営店売上の構成比が高まり、ミックスは改善していくと思われる。
したがって、売上総利益率は改善方向を想定することができる。
一方販管費は、直営店が増えることで人件費や家賃の負担が重くなるが、少なくとも本部費については負担が軽くなることが想定され、販管費率としては若干ながら改善すると考えられる。
以上から、売上利益とも尻上がりに拡大することが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)