水曜日の米国株式市場はS&P500とナスダック総合指数が上昇し、ダウ平均は下落した。ダウ平均は一時200日移動平均線を下回る場面もあったが、急速に切り返し前日比0.09%安で取引を終えている。米10年債利回りも一時1.6%を下回るなど大きく低下したが、午前11時52分時点では1.738%まで上昇している。ドル/円もこの動きに連動し、105.50円まで円高が進む場面があったが、106.16円まで反発している。
昨日は米中貿易戦争が世界経済の悪化を招くとの懸念からインド、ニュージーランド、タイの中央銀行が利下げを決定。トランプ大統領はFRBに対し、更なる大幅利下げを公然と要求するなど世界的な金融緩和が大きく進んでいる。米国債利回りの急落は市場がFRBの追加利下げを完全に織り込んでいることを示し、年内に3度あるFOMCで合計0.5~0.75%の利下げが予想の主流となっている。また、昨夜エバンス・シカゴ連銀総裁が一段の金融緩和を行う正当性はあるとの見解を示したことで、市場はこれを好感した。
上海総合指数は0.71%高、韓国総合株価指数は1.09%高、ドル/人民元は0.19%安、ドル/ウォンは0.15%安となっている。人民元の基準値は初の7元超えとなる7.0039となっている。発表された中国の輸出は3.3%増、輸入は5.6%減とどちらも予想を上回った。
日経平均株価は2万588円と上昇している。前日の米国市場の切り返しと人民元高を好感しているようだ。日経平均株価の信用倍率は50.0となっており、昨日の米国市場の切り返しを見ても下値は堅くなってきているように見えることから、後場は堅調に推移することが見込まれる。2万650~670円あたりが抵抗帯になっているが、後場にこれを突破できるかに注目が集まる。